マリオ・ジャコメッリ展
知られざる鬼才 マリオジャコメッリ展
於 東京都写真美術館
Mario Giacomelli
1925-2000
Italian
5月に行ってきた、イタリア人「アマチュア」写真家、ジャコメッリの展覧会。
コントラストの強い、まるで影絵のような彼の写真をチラシで見てから、
行きたいと思っていた。
(それからプークさんのレビューの影響もあり・・)
ジャコメッリ・・
白と黒、
強いコントラスト
造形美
シルエット
やわらかさと、たくましさ
体温の低さ(クール)
反復し、変化するリズム・・
アマチュアであったことで、(ウケるものを作ろう)といったような気負いのない、でも、だからこそ真っ直ぐで研ぎ澄まされた写真(それは痛いほど・・)を撮ったんだなぁ、と感じた。チラシに載っていた、神学生を撮った「私には自分の顔を愛撫する手がない」シリーズはもちろん素晴らしく、他にも 「男、女、愛」という実際に付き合っていたカップルを撮ったシリーズ(出会いから、別離までを撮った、と書いてあったけれど、「別離」がなかった・・。それが見たかったのに・・!出会いのところで、きらきらとした木漏れ日のような光をバックに幸せいっぱいの二人の写真は、あと一歩間違えればメロドラマ風になるのに、寸でのところで、そうはならず、あふれんばかりの幸せを感じさせつつも、そこに足場のない、先の見えないような不安をも感じさせるところが、すごいなぁ、と思った。)、
ホスピスでの一連の作品・・。
私は、ジャコメッリの初期の作品も良いなぁ、と思った。
その中の、コットンのふくよかな布に配置された洋梨などの写真は、
それぞれの物体の手触りまでをも感じさせた。
一番長く見つめていたのは、初期の「少女のポートレート」。
こちらを、じっと見つめる黒い瞳の少女、光に当たった髪の輝き、
そっと胸元に置かれた白い手、ぼやけた草むらのような背景。
コンポジションと、少女の表情が素晴らしく・・見入ってしまった。
そして、その写真が撮られたのは、もう50年以上も前と気づいて、
なんだか説明のつかない感傷的な気持ちになり、涙が出た。
「モノ」として残る記録と記憶、ひとにとっての時間の過ぎ去る速さ・・。
少女が見せた一瞬のきらめきみたいなものは、フィルムに焼き付けられた。
arts longa, vita brevis かな。
ジャコメッリの写真を見れて、とても嬉しかった。
- 2008/06/23登録
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