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イヴォン・シュイナード『社員をサーフィンに行かせよう ― パタゴニア創業者の経営論』

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パタゴニアの創業者、イヴォン・シュイナードのタイトルが最高な書籍。原題は "Let My People Go Surfing: The Education of a Reluctant Businessman" なので、「パタゴニア創業者の経営論」ってのはかなりの超訳だと思いますが、内容はかなり面白くて、思った以上に「経営論」でした。厳密には「企業理念」って感じです。

もともとパタゴニアは好きで、カタログも毎号読んでる(パタゴニアのカタログは「見る」だけのものではなく「読む」ものでもあります)し、パタゴニアに関する記事とかはわりとマメにチェックしてて、いろいろインスピレーションを得ているんで、いろんなところでちょこちょこ知ってたことが、本人の言葉でまとまってるって感じではあるんですが、このジイさん(失礼! でも、今年で 70 歳です)、思った以上に過激で乱暴な感じ。そこがとてもいいです。温和で平和主義なジイさんなのかと思ったら、なかなかどうして。言ってることもやってることもかなりラディカル。「いい波が来てるのに海に行かないほうがおかしい」だの、「事業の第一の目的は利潤じゃない」だの、「金儲けが目的じゃないから上場なんて絶対しない」だの、「MBA(management by absence):不在によるマネージメント」だの、そこいらのビジネス書には絶対に書かれてない(書けない)ことを、もう、言いたい放題で、共感できる点とか、勉強になることが盛りだくさん。(試行錯誤をしながらも)有言実行なところもカッコイイし。シリコン・バレーに代表されるアメリカ型ビジネスの '上場ゲームをプレーしてる' かのような企業本なんかより地に足が着いてて、よっぽど共感できるし、一般的な '物事との向き合い方' みたいなレベルで、かなりグッときちゃう。

まぁ、もちろん、タイトルも最高です。こんなタイトルで面白くないはずがない。そりゃあ、サーフィンに行ったほうがいいでしょ、いい波が来てるんだから。みんながフツーにこうなってるような世の中にならないかな? そうなったらいいな、と切に思う。だって、これは「休みがキチンと取れて…」なんてレベルのハナシじゃない。なぜなら、サーフィンだから。「来週休みを取って登山に行ってきます」なんてのとはレベルが違う。登山だったら事前に予定が立てられるけど、サーフィンはそうはいかないから。いい波が来ちゃってるんだから。そういう、思い立ったときにすぐに動けるような環境ってすごくいいな、と(自分自身も、周りの人も。もちろん、お互いに)。フツーにみんながホイホイサーフィンに行けちゃう(もちろんサーフィンじゃなくて、サッカーでも、山登りでも、釣りでもいい。逆に、台風だから会社に行くのをやめて家で本を読んじゃう、ってのももちろんアリ)、そんな感じの世の中にならないもんかな、と。これは案外プリミティヴで、すごく大事なことのような気がします。

ちょっとアニータ・ロディックの 『ザ・ボディショップの、みんなが幸せになるビジネス。』に似てるかもしれません。

イヴォン・シュイナード『社員をサーフィンに行かせよう ― パタゴニア創業者の経営論』

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