ジャポニズム
フランスが夢見た日本
上野の東京国立博物館に金曜日の夜、訪れてみた。午後8時まで開いている。
緑のライオンが2頭、入り口に伏せている表慶館で始まった「フランスが夢見た日本――陶器に映した北斎、広重」という特別展。8月3日まで。
北斎漫画や広重の名所図会などに、河鍋暁斎の動物たち……。そんな日本の美を題材に、着想を得て作られたものたち。
時は19世紀末。ヨーロッパのジャポニスムに日本の浮世絵が与えた影響について、テーブルウェアに絞って展示している。パリ・オルセー美術館の所蔵作品と、東京国立博物館などの作品を対比させながら見せる、という共同企画だ。確かに、オルセーでジャポニズムの作品を、といえばついつい絵画になるから、テーブルウエアーに絞るというのは、面白い視角ではある。
出展されたテーブルウェアには2つの時代がある。初めは「セルヴィス・ルソー」と呼ばれる。陶器とガラス製品の製作販売を行っていたウジェーヌ・ルソー(1827-1890)と画家・版画家のフェリックス・ブラックモン(1833-1914)の共同製作により1866年に生まれた。葛飾北斎(1760-1849)や、《東海道五十三次》などで有名な歌川広重(1797-1858)などによる日本の作品から着想を得た作品には、ジャポニスム(日本趣味)の初期の例がみられ、このテーブルウェアはパリ万国博覧会で1867年、1878年、1898年と続けて紹介され、大成功をおさめた後、1930年代まで50年以上にわたって製作されたという。これが表慶館の右翼側の展示室に。ブラッくモンのエッチングで刷り上げたばかりのものを陶器面に転写した
ものらしい。北斎などから持ってくるものの趣味が、フランス人らしく、その配置などのセンスも好ましいものがあったのだろう。
もう一つが「セルヴィス・ランベール」。表慶館の左翼に展示されている。「セルヴィス・ルソー」がたいへん人気を博したため、1873年、ルソーは柳の下の2匹目のドジョウを狙った。セーヴル国立製陶所の装飾画家アンリ・ランベール(1836-1909)。ルソーはランベールにもジャポニスムの新たなテーブルウェアの製作を依頼する。この作品群は「セルヴィス・ルソー」と違い、手描きによる高級品で、絵画性の強いデザインが特徴です。小さいながらアンリを示すのだろう「H」のイニシャルが入れられている。手描きで現存する数が少ない「セルヴィス・ランベール」の作品は、日本初公開なのだそうだ。
表慶館のセンター奥の間には、これらのテーブルウエアーを実際にテーブルでセットアップすると、こうなる――という展示もある。
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コメント (6)
最新コメント5件
2008/07/06
chagale なおかつ、会期初めのころは空いています。ゆっくりとでき、夕闇が広がっていくのも感じられて、良いものです。
grover なんか、ロマンチックですねー。
chagale 日が暮れてくると、緑のライオンの表慶館をはじめ本館、平成館、それに西側の法隆寺館の建物のそれぞれが、ライトアップされて一種幽玄な趣があります。今回の「フランスが夢見た日本」展は、比較的全体の点数が少なめですので、時間的に余裕の時間ができたりします。そのときには東洋館でも本館でも、平常展を見ることもできます。私は、本館で近代の日本の絵画の平常展の展観を愉しみました。彫刻の平櫛田中の作品は、毎回、ここを訪ねると展示されている作品が変わっていて、中でも楽しみにしています。来週は、また新たな特別展が始まり、二つの特別展が重なるのですが、二つを同時に見ることは、できることはできるでしょうが、余裕をもって一つづつを見ることの方が、やはり楽しいような気がします。是非、お楽しみを。
2008/07/08
grover 勉強になります。今週末、予定は未定ですが、会社帰りにいくつもりです。
2008/07/12
grover 行ってきました。芸術性に加え、すごいユーモアも感じました。モグラが絵皿になる・・・この感覚がたまりませんね。それにしても、美術館、博物館、文学館に必ず出没する蘊蓄親爺orおばん。今日もいました。目に入らぬ所に行くまで、ひたすら待ちました(笑)。でも、素敵な情報に本当に感謝しています。楽しかったです。11月には、公園内の文化会館に大好きなピアニスト、フランク・ブラレイがくるんですよね。都会は苦手だけど、こういうチャンスが手近かにあるのは、東京の凄さですね。 削除
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