オモテマンケ・ウラマンケ
表萬家裏萬家
イケメンの新任高校教師=藤原晴信が京都の茶道家元、「表萬家」の長女=慈瑠(じる)と「裏萬家」の長女=寿璃(じゅり)に見染められてしまい、両“令嬢”から(肉体関係を強引にせがまれて)ひたすら逃げ惑う……という、“300%オトコの妄想”世界をベースにしたエロチック・コメディ。1989年、小学館は《ビッグコミックスピリッツ》に連載され、2巻組の単行本コミックになりました(現在は絶版)。
主題が〈弱R指定〉でエロチックなのは間違いないですが、いわゆる『シモネタ寓話』の要素は全体の三分の一ほど。残りはナニか?といえば、上記の三人による『シチュエーション漫才』が占めています。1ページに1回、笑いを取りに来ます。この機関銃のよーなコントの乱発はまさに、現代の漫才。作者の澤井健氏は時代の20年先をゆく天才的な“漫才ライター”さんであった、と申せましょう。
両「萬家」の令嬢にはかなり特異な“性癖”があり、互いの対抗心もムキ出し。ストーリーは、どんどん異常さとシュールさを加速させていきます。これも現代の若手漫才の傾向に通じるところです。晴信のツッコミに対し、際立った対照のボケぶりを魅せる妖艶な娘たち。「表萬(おもてまん)」=慈瑠は、「裏萬(うらまん)」=寿璃に対してだけはツッコミに転じ、寿璃は(誰に対しても)徹底してボケ役。
本作を単なるスケベ漫画に終わらせず、“笑撃の連打”的な快作にさせているのは、(絵の巧さもさることながら)ひとえに!(のちに映画書評などでも秀逸な才をみせた)澤井氏の卓越した「キャラ構成力」、つまりは「脚本力」のなせるワザ☆であったのだろう ─── そんなふうにも思うワケです。
- 商品名: 表万家裏万家 1 (1)
- 価格: ¥509
- 著者: 澤井 健
- 出版社: 小学館
- 発売日: 1989-02
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- 2008/07/11登録
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