Water Baron
水男爵
髭男爵ではない(笑)。
先日カオナシさんの日記に「ほぼ全世界の生活の基盤となっているものを投機の対象にできること自体おかしいと思います。これが、かりに“水”になったら・・・?」とコメントした。しかし、事態はそんな暢気なことを言っている場合ではなかった。
2001年に刊行されて話題になった『世界がもし100人の村だったら』には、「17人は、きれいで安全な水を飲めません」とある。彼らの1日の水使用量が1人平均5ℓ程度なのに対して、米国は400ℓ、日本は320ℓにのぼる。こうした状況を改善するため、世銀をはじめとした国際金融機関は途上国を援助してきた。
この資金を貪り、水道インフラの整備や給排水、水処理などウォータービジネスで巨万の富を得たのがウォーター・バロン(水男爵)と呼ばれる企業である。背景には、当の国際金融機関が受益者負担と民営化をもとめたこともある。日本でもおなじみ、弱者切捨ての新自由主義政策だ。
世界の水を支配するウォーター・バロンとは、フランスのスエズ、ヴェオリア・エンバイロンメントの2社と、英国のテムズ・ウォーター・ユーティリティーズを買収したドイツのRWE(06年に売却)。
途上国では、民営化されたことにより水道料金が大幅に引き上げられ、支払い不能となって給水停止があい次ぐ。そして、儲からないとみると勝手に撤退し、損害賠償まで請求する。撤退後、地元の人びとは? ウォーター・バロンは今、慢性的な水不足の湾岸諸国や水質汚染の著しい中国など、カネのある先進国や新興国の市場にシフトしている。
日本にもやって来た。
そして、当然のことながらファンドも存在する。オーストラリアのマッコーリーグループは90年代以降、ウォータービジネスをはじめ公益事業に投資して利益と伸び率の過去最高記録を更新しつづけている。そして06年には、先ほどの英テムズ・ウォーターを買収した。ファンドの推定規模は250億ドルとも言われる。
次は・・・きれいな空気か。
#Touch the Earth III
- ヴェオリア・ウォーター・ジャパン株式会社
-
住所:
東京都港区海岸3-20-20 ヨコソーレインボータワー11F
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コメント (16)
最新コメント5件
2008/11/17
四月の旅人 CLASHさん、コメントありがとうございます。CSRがきびしく問われる時代に、仮に内心そうは思っていてもなかなか表明するのが憚られることを、書かれたという点に敬意を表します。「あなたの意見に私は反対である、けれどもあなたがその意見を言うことができるという権利を私は全力で守る」ことにしているわけですが、悲しいのは、ネットにはびこる人を不愉快にして悦に入るという品性でしょうね。
CLASH たまたま知り合いに、あなたがこのKWでけなしている企業の関係者もいるんでね、こういう一方的な言われ方は気分が悪い。ウォーター・バロン?が正義の味方だとは全然思わないが、どこの国でも民間企業はその国の法律に則って経営され、利潤を追求している。それはトヨタだろうがゴールドマンサックスだろうが同じ事で、問題があるとすれば、それは法律が市場と業界を正しく規制していない点にある。例えば今回の金融危機だって、ゴールドマンサックス等の投資銀行が悪いという論調も多いが、本当は規制を緩和しすぎた米国政府に罪がある。で、このKWに書いてあるような悲惨な事例は、独裁者等の放漫な経済運営(と裏での莫大な私財蓄積等)で破綻した途上国によく生じる事例で、IMFとか世銀は、そうした破綻国を援助ではなく「食い物」にしてきた と言うのが起きている事だ。IMFや世銀がやっている事は、例えばこことか>http://satehate.exblog.jp/10037143/ 今日の僕の日記に書いたように、借金で首が回らなくなった人間を骨までしゃぶり尽くすようなやり口で、それが最大の問題。それをあなたは「こうした状況を改善するため、世銀をはじめとした国際金融機関は途上国を援助してきた。」と書いているよね、事実は真逆に近い。水道会社は、IMFが融資した金の回収のために半ば強制的に変えさせた法律の下なら儲かるから出てってるだけで、どう見ても善意のビジネスではないけれど、不法行為を働いているほど極悪でもない。民衆には全く罪はないけれど、最も悪いのはそこに出ていった民営企業ではなくて、第一に国を破綻させた指導者達、そしてその困窮につけ込んで食い物にするIMFや世銀。もうちょっと言えばIMFや世銀を陰で支配して真に利益を得ているのは誰って話になるけれど、それはまた長い話になるし人によって見解がいろいろだからここには書かない。でも少なくとも、何も知らない人がこのKWを読めば、そういう人は全然違う理解をする。それがこのKWの最大の問題。
四月の旅人 残りの半分、拝読しました。この程度のことなら、このキーワードに興味を持った方はご存じなのでは──というのが率直な感想です。「背景には、当の国際金融機関が受益者負担と民営化をもとめたこともある。日本でもおなじみ、弱者切捨ての新自由主義政策だ」と私も書いています。だからといって、その責を世銀や当該国の政府に押しつければ済むということにはならないでしょう。それは、企業の論理であり、富と権力を持つ側の論理です。ある日突然、水が利用できないほど高額になる。あるいは、供給を止められる。そんなことがあってはならないと考えます。ガソリンでさえ、大騒ぎだったのですから。そこで、ここでは一般にそれほど知られていないだろう「水男爵」というキーワードを提示することで、水という生命の存続に関わるものをビジネスの素材として巨利を貪り、さらには投機の対象にさえする企業がある、ということを伝えることに重心を置いています。つぎは、空気か太陽か・・・。ちなみに、私は強者の論理にはほとんど興味がありません。その意味では、CLASHさんのおっしゃるように、多くのキーワードでモノ・コトの半分しか描いていないでしょう。
2008/11/18
CLASH 僕が言っていることは強者の論理ではなくて、起きている現実です。民間企業はルールに則って利潤追求するにすぎない。それが全世界全民間企業共通の企業の基本の論理です。だから「水という生命の存続に関わるものをビジネスの素材として巨利を貪り、さらには投機の対象にさえする企業」が出てくるのも当たり前です。そこにモラルを求める気持ちはわかりますが、モラルは、それに興味がない人間の行動を規制できないから法律があるんです。「水という生命の存続に関わるもの」だって、合法的にそこから利潤を得られるなら、「ビジネスの素材」にする企業は出てくるんですよ、かならず。それをそういう企業はけしからんと言っても、それでその企業の行動は止まりゃしません。うちは合法的にビジネスしてる、何が悪いと言われたら、それまででしょう。深刻な問題が生じるなら、そういうことが出来ないように法で規制することこそが肝要なんであって、でもIMFがやってることは逆ですよね。半ば強制的に法を問題が生じる方向に変えさせてるんですから。IMFは現代の植民地政策をやってるようなもんです。そこをちゃんと理解・説明しないのは、木を見て森を見ず に思えます。「このキーワードに興味を持った方」がIMFという森の実態をご存じなくらいなら、それこそ木々のことも当然知っているでしょうし、木のことすら知らない人に森のことを抜きに語っても、木が問題なんですねで終わり、問題の本質にはたどり着かない。「この程度のことなら、このキーワードに興味を持った方はご存じなのでは?」>このKWを書いたご本人がこの構造をちゃんと理解しているなら、「こうした状況を改善するため、世銀をはじめとした国際金融機関は途上国を援助してきた。」とは決して書かないでしょう。
四月の旅人 なるほど。そこも、かみ合わない理由のひとつですね。最初のお返事に「CSRがきびしく問われる時代」と書きましたように、私はまさにそのモラルを問うているのです。そして、その立ち位置は“水を止められた”一般の市民の側で、そこから見れば“水男爵”もIMFも“強者”です。たとえば、この国でも企業はもちろん、政治家や官僚たちのモラルハザードはひどいものですね。その都度、法の不備や政府の無策が指摘されます。この点については、多くの人が知っている。しかし、少なくとも私は、伝えられるまで派遣労働がここまで劣悪にあることも、「居酒屋タクシー」についても知りませんでした。一方で、法規制の有無に関わらず、可能な限り人に思いやりを持ち、地球にやさしい事業や生活をしたいと考えている企業(や、もちろん個人)があります。富の格差も大問題ですが、私はこの意識の格差のほうがはるかに深刻だと思っています。そして、後者の位置に立つことでしか、地球は支えきれないでしょう。ちなみに、援助のあり方については、別に「280億円はたったの4日分にすぎない」というキーワードをアップしています。CLASHさんは今IMFにご興味があり、新たな情報もお持ちなのでしょうが、彼らの振舞いは遅くとも80年代、中南米での経済危機の際に明らかでした。それゆえ、今回のテーマは別にありますから、「背景には」で十分だと考えたわけです。最後に、私はこの空間に参加して1年半足らずですが、人のキーワードに批判的なコメントをしたことは一度もないと思います。それは、言葉のみによるコミュニケーションの難しさを知るからです。このコメントのやりとりの中で、不快な思いをさせていたら申し訳ありません。
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