らくごのくにからのぞいてみれば
落語の国からのぞいてみれば
のぞいている落語の国は日本だけど,のぞかれている国は何処だろう?。
今,日本で最も落語を聴いているあの方が落語本を出したと聞いて,いてもたってもいられず。あとがきから読む悪い癖で巻末を眺めると,結構なページ数を割いての登場落語の解説と索引。これは御家芸である現場で掴んだデータを駆使しての噺家と噺の詳細なガイドブック-例えば『東京かわら版』連載の拡大版のようなもの-かと期待が膨らんだ。
とんでもなかった。
落語本の皮をかぶった現代日本人論と言うと,落語で何を得心したようなことをと御本人に笑われるかな。それでも落語を下敷きとしながら,江戸と平成の世の文化的差異や人間の行動原理の変化を,いつものあの軽妙な文体できっちりと伝えてくれる内容に目から鱗が落ちる想い。
敢えて落語にこじつけるならば,その変化の良し悪しを決定するのではなく,ただ変化そのものを明確にするところに主眼を置いたところが,融通無碍な落語そのものといったところかな。いつもお見かけするあの寄席で思い切って訊いてみようかしらん。
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『落語の国からのぞいてみれば』
第1章 数え年のほうがわかりやすい
第2章 昼と夜とで時間はちがう
第3章 死んだやつのことは忘れる
第4章 名前は個人のものではない
第5章 ゼニとカネは別のものである
第6章 50両で人は死ぬ
第7章 みんな走るように歩いてる
第8章 歩くときに手を振るな
第9章 生け贄が共同体を守る
第10章 相撲は巨大人の見世物
第11章 見世物は異界の入り口
第12章 早く結婚しないといけない
第13章 恋愛は趣味でしかない
第14章 左利きのサムライはいない
第15章 30日には月は出ない
第16章 冷や酒はカラダに悪い
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