アメリカンヒストリーX
人種差別を扱った映画の中でも、とても核心をついている作品だと思います。そしてストーリー、演出、役者さん全てのレベルが高い。とても現実的なストーリーで、観たあと必ず気分が沈む割には定期的に観ています。
映画クラッシュが多種多様な立場、人種を通して人種差別の連鎖を描いているなら、こちらはひとつの中流階級の白人家族に注目して連鎖性を描いています。深く考えずにエドワードノートンやファーロングの演技を堪能してもいいでしょうし、(これを観てエドワードノートンが好きになった人は多いと思う)人種差別というテーマについてかんがえてみるのもいいと思います。特にここに登場するネオナチのグループはKKKを参考にしているんだろうなあと思う部分(たとえばKKKの創始者アルバート・パイクと、この映画に出てくるグループのリーダーとか)があったので、そういうところに注目してもおもしろいです。(近年またネオナチの人が増えてきているそうなので、知っておいて損はないと思います。)
エドワードノートン演じる主人公は、父親が黒人男性に殺されたことをきっかけにしてネオナチに傾倒していきます。(本当はもっと以前からそういう感情を父親によって植えつけられていたのですが。)些細なトラブルをきっかけにして、黒人のギャング数人が彼の家に押し入ったところを逆に射殺してしまいます。その後彼は刑務所に入り、服役中に自分があれほど傾倒していた人種差別のもうひとつの側面を観て、これまでの考え方を改めますが、そのころにはもう家族はバラバラで、ファーロング演じる弟は、カリスマ的な兄を慕って同じネオナチのグループに属していたのでした。主人公は弟をネオナチから抜けさせようとするのですが…。アメリカンヒストリーXとは、この弟が歴史の授業で課された、人種差別をテーマとしたレポートの名前です。最終的にこの映画がそのレポートのような形で終わります。
観終わったあとも他の人の感想や、DVDに収録されているコメントなどを観て何度も考えさせられます。
- 2008/07/23登録
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