ライオネル・ファイニンガー展@横須賀美術館
ライオネル・ファイニンガー と言ってもほとんどの人が知らないのではないだろうか?
ウィキペディアを見ると「日本において、個展等の展覧会で本格的に紹介されたことはない」とある。日本では今までその程度の存在だったのだろう。ここ関心空間でも人気の高いバウハウスで「形態マイスター」として教鞭を執っていた と言えば興味を持つ人もいるだろうか? グロピウスによる「バウハウス宣言」(1919年)を掲載したパンフレットの表紙を飾ったのが、ファイニンガーの木版画であった。
この4月に三浦方面にツーリングに行こうとした時に、立ち寄り候補の一つとして横須賀美術館のHPをチェックしてこの展覧会の予告を見たのが、彼を知った最初である。ライオネル・ファイニンガーの名前すら知らなかったが、紹介されていた一枚の絵の小さな画像にいたく惹かれ、Googleカレンダーに展覧会の開催期間を書き込み、8月がくるのを心待ちにしていた。そして、この日本で初めての彼の展覧会の始まる8月2日は、たまたま毎年訪れる米軍横須賀基地のNavy Friendship Dayの今年の開催日でもあったので、初日に行く事となった。
日記にも書いたけれど、期待以上に素晴らしい絵だった。初期のエッチングや新聞に連載していた風刺画なんかも来ているのだけれど、もっとも素晴らしいのは1930年前後に描かれた風景画。
元々は教会や海がモチーフなのだが、それらは形態マイスターの手にかかって複雑に屈折する抽象的な光の結晶に変貌を遂げ、キャンバスの上には不思議な荘厳さと静寂を湛えた空間が析出している。色遣いは、バウハウスの同僚でもあったパウル・クレーが好きな人ならきっと気に入ると思う。絵の構成はキュビズムから出発しているが、はるかに昇華して彼独自の世界に到達している。
最も気に入った絵は画像検索では出なかった。館内で閲覧した図録も、残念ながらオリジナルの色調を完全には再現していない。是非、自分の眼で彼の絵を堪能して欲しい。
この、日本では全く無名の画家の、具象と抽象の間で不思議な光を放つ絵を観るのは、ひとときの至福である。
ライオネル・ファイニンガー展 @横須賀美術館 10月5日(日)まで。
http://www.yokosuka-moa.jp/exhibit/...
- 2008/08/05登録
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コメント (3)
2008/09/16
Go涼 連休最終日に見に行ってきました。無謀にも子連れで行ったので十分には堪能できませんでしたが,CLASHさんの言う風景画の実験的な趣は面白かった。横須賀美術館はへんてこりんなロケーションですね。建物は素晴らしいけど周りの景色との違和感が…(笑)
CLASH 行かれましたか。あそこ、美術館がなかったら、日本中にある昔ながらの海岸沿いの観光地のひとつですね(笑)
Go涼 途中で子供が飽きて暴れそうだったのでダッシュで退散したのでちゃんと見れてません。雰囲気だけ,味わってきた感じ。それでも良かったけど。ただ, たまたま同じ時間に訪れた人には申し訳なかったデス。美術館は風景への溶け込まなさが…。あの場所に居る分にはいい空間なんですけどね。なんというか「建築家のわがまま」って感じもしました(笑)
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