ニャロメの万博びっくり案内
タイトルの「万博」とは「大阪万博(1970年)」のことです。
1970年4月から6月にかけ発刊された全3巻組みの、コミック仕立ての万博観覧ガイド。
>第1集『万国博がやってきた!』
>第2集『万博で未来をのぞこう』
>第3集『万博で世界をまわろう』
当時の(わたしを含む)小学生の多くが、これを(親に)買い与えられて“天下国家の祭典”に想いを馳せた…のでした。
今にして思えば、ひとつの漫画プロダクションが(制作費捻出のための)スポンサー(→当書では、野球用品の《美津濃》と《東京旅行》)を担ぎ出して、国家イベントのガイドブックを自主出版する、なんて芸当が成り立つのは、日本史上、これが最初で最後?だったかもしれません。
“万博をネタにすれば必ず儲かる!”なんて理屈は、高度経済成長の絶頂期だからこそ成立したことです。価値観が多様化し、エンタメ&レジャー事業の飽和化したバブル以降では成り立ちません。
たぶん、大阪万博は現代ニッポンにおいて“史上最後の”国家イベントだった、でしょう。わたしの住む中部地方ではその後、長野五輪や愛知万博が開かれましたが、どちらも魅力に薄く、わたしは観に行っておりません。大阪万博ほどの興奮が、自分のハートのなかに沸いてはこなかったのです。
連載以外にこんな“副職”に手を染められるんだから、フジオプロも当時は羽振り良く(先輩の虫プロに少しでも近づこうと)意気盛んだったものと思われます。《天才バカボン》のTV放映が始まるのはこの翌年から…ですから、このガイド本の売上収入も少なからず貢献しているのでしょう。
2008年 ── そんな赤塚不二夫氏は逝き、今夜はおとなりの中国で五輪の開幕式が開かれています。
テレビの中継を観てると、38年前の大阪を想い起こします。わたしたちは(かつて)そんな上昇気流のなかのニッポンのなかに生きていましたから、これを“過去のデジャ・ブ”として傍観するワケですが、東京五輪や大阪万博の時代をまったく知らない今の若人は、北京五輪をどう観るのでしょうかねえ。
大阪万博で国じゅうが沸いていたころ、中国市民は誰もマイカーを持っていなかったどころか、外出着は家族全員が人民服…と(日本の)戦時中みたいな暮らしをする慎ましい人たちでした。
世界のどこよりも自信と活気に満ちあふれていた、「バラ色のニッポン」の祭典を知らない。年を追うごとに海外(特に新興アジア)の元気ばかり見せつけられる…というのもナンだか“気の毒”な感じがいたします。見てくれや勢いがどーあれ、(国民経済に関する限り)日本は常に、現代中国の35年先を歩き続ける国です。
願わくば…ですが。北京五輪は疑心、羨望や妬み、嫉みではなく、古きを温ねる視線で冷静に観てもらいたいですねえ>平成育ちのみなさん。
- メーカー: 赤塚不二夫とフジオプロ
- 発売元: 実業之日本社
- 価格: 各280円
-
住所:
東京都渋谷区代々木4-27-6
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コメント (2)
2009/08/17
haetorigumo 私も持っていました「ニャロメの万博案内」。懐かしさいっぱいです。会場に持っていったのは公式ガイドでしたが、こちらも大好きでした。私は当時、京都に住む中学2年生で、大阪万博はだいたい月2回、計13回出かけました。もっと大人だったり、もっと幼かったら、そんなに出かけなかったことでしょう。良い時期にEXPO70にめぐり合ったのだと思います。
2009/11/21
す⊃ぽんはむ 当時、就職直前の学生だったというわたしの知人(愛知在住)は、ためたバイト代で1カ月半、会場近くの下宿に住込み決行。毎日、朝から晩までず~っと会場に居たそうです。「一生に一度しかできない体験」だから、財産を使いきって十分に満足だった、と。ホントに“夢見るような”目つきで今もその想い出を語るんですよ・・・ウラヤマしいなあ(苦笑)
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