Vincent van Gogh
生きている間に、たった一枚の絵しか売れなかった画家。名前が妙に長かった画家。耳の描写を気にして自らの耳をそぎ落とした画家。減らず口ばかりたたいていた画家。狂気じみた画家。彼についての説明は色々あるかもしれません。でも絵が何より物語っている気がする。そして、世にいう「普通」でいるには、繊細すぎた人だと勝手に思っている。私自身、相当不器用なほうだが、それ以上に不器用だったのだろうと思う。不器用にしか生きられなかった彼は、キャンバスに感情をぶつけていたのかもしれない。
おおげさに思われるかもしれませんが、その生き様を思うだけで、その絵をみるだけで、こころが掻き毟られて泣けてくる。数年前に買った画集を今でも定期的に開きますが、毎回同じように息を詰まらせてしまう。ばかみたいだけど、毎回画集を開きながらティッシュを片手に鼻をかんでいる。
あのうねり、繊細さと無骨さの共存、色づかい、そして風や光、影の表現。
その短い人生の中で描いたものは、花瓶に生けられた些細な花たちであったり、じっとこちらを見据える自画像であったり、ただのグラスにもられた水であったりする。それらは必死に訴えかける。こちらがみる側のはずなのに、いつのまにか逆にみられているような、なにかを試されているような感覚に陥る。
たとえば有名なあのCafe Terrace at Nightは、みるたびに、夜ににぎやかな通りに出たときの気持ちを思い出す。個人的に好きな作品のひとつに、夜の川岸を描いたものがあるのですが、その星空は本物みたいにどっしりと、よりかかってくる。
- 2008/08/10登録
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