舟越桂「夏の邸宅」
木彫、彩色、象眼の目、中性的な浮遊感・・・。現代彫刻のスター、舟越桂が作り出す人物像は、いつもなぞめいている。
そんな作品をアールデコの独特な空間を持つ東京都庭園美術館で展示しているのが「夏の邸宅」展。
個性的な彫刻と、個性的な部屋が協演しているようで、十分に楽しめる。
9月23日まで。水曜休館。
舟越の作品というと、冒頭に書いたような中性的なイメージを持っていたが、最近は両性具有のスフィンクスをシリーズとして手がけているという。スフィンクスというと、ピラミッドの隣に鎮座するやつを思い浮かべるが、ギリシア神話では女性の顔と乳房、鳥の翼、獅子の下半身を持ち、人間に謎かけをするんだそうな。天使の羽のように背中に手が生えた作品(今回も展示されている「水に映る月蝕」)は知っていたし、そんなに「異形」とも思わなかったが、長い耳が垂れて肩まで伸びる姿には驚かされるというか、戸惑わされる。
典型的なのは、1階ロビーの一等地に展示されている「森に浮くスフィンクス」。四方を木に支えられて宙に浮く人物像は、豊満な乳房を持つ一方で、下半身の局部には男のそれがはっきりと・・。衝撃的とも言える。
新しい領域を開いたといえるが、二人の女性が抱き合っているようにも、あるいは同じ体を二人が「共有」しているようにも見える「雪の上の影」、頭の後ろにもう一つの小さな顔がある「肩で眠る月」なんかを見ると、その延長線上だといえなくもないような。
彫刻だけでなく、ドローイング、版画の三本柱として展示し舟越の全体像に迫るとともに、空間との出合いを探ろうというのが企画の意図らしい。その意味では見事に成功しているといえるのでは。調度の鏡がうまく生かされていたり、外光を浴びて明るい浴室に置かれた「言葉をつかむ手」、白い肌がより透き通るように浮かび上がったりと、なかなかの演出と感じた。
- 価格: 1000円
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住所:
東京都港区白金台5-21-9
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- 営業時間: 10:00~18:00
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