関心空間はアートのクチコミも満載!

新着

... もっとみる
ログイン | ユーザー登録(無料)

ジュリアン・オピー / 水戸芸術館現代美術センター (Julian Opie at Art Tower MITO)

  • ジュリアン・オピー / 水戸芸術館現代美術センターの画像

10/5まで水戸芸にて開催中。イギリスを代表する現代美術作家、ジュリアン・オピーの本邦初の個展です。Blur のアルバムジャケットデザインから、表参道ヒルズのディスプレイなどで目にしている人も多いと思います。そのポップな作風からグラフィックデザイナー?と思われがちですが、ロンドンのテート・モダン、ニューヨークMOMA、日本の東京国立近代美術館など、世界中の主要な美術館に作品が所蔵される実力派。絵画と彫刻、オリジナルと複製、アートとデザイン、商品とアート作品、美と日常…等々の二極間の問題の、どれにも当てはまるようで当てはまらない、独自のスタンスで作品をつくりつづけています。


ジュリアン・オピーを最初に知ったのはいつだったか…記憶をたどってみたのですがいまいちハッキリしません。多分、YBAブームの頃だったと思いますが(曖昧)、最初から「これってアートなの?」という「?」マークつきの目で見ていて、どこか良いんだか悪いんだかよくわからない存在でした。当時から作風は安定していたし、世のアートシーンの影響もあまり受けていないような不思議な貫禄もあり…。


個人的に、オピーに興味を持っていたかというと実はそんなに好きでも嫌いでもない作家でした。でも、こんだけ大きな個展、観に行かねば…!とはるばる水戸まで出向いたところ、これがとても良くて。15,000円もするカタログ(でも内容は値段に見合う充実ぶり)を思わず買ってしまいそうな位、すごく興味深かったです。印刷物やネットで観るのと、美術館の空間で観るのとは全然鑑賞体験が違うのだとあらためて実感しました。そして、オピーの作品を今まで全然理解していなかったことにも気がつきました。


現在の(特に日本の)流行の美術って、今は「自分語り」的なところが大きいのではないかと思います。主語が全部「私」のお話で、わかる人だけわかればいいような。思い入れが全て、というような。良く言えば「個」対「個」。悪く言えば独りよがりで排他主義。いえ、全部が全部そういう訳では勿論ないのですが…傾向としてそういうものが目立つような。なので、オピーのような「個」に還元しない作品に触れると、なんというかそのダイナミックさが痛快に感じられるのです。「全部オーケーだよ」というような、おおらかな全・肯定力。


そして、それはデザインではなくアートだから出来ることなのだ、ともハッキリ思います。(デザインとアートの違いは何?と聞かれても、いまいちはっきり説明出来る訳ではないのですが)あの、記号のようなシンプルな線に還元された丸い頭のダンサー達が、あんなにエロティックに腰をふっている、あの曲線。ホテルの窓から一日の光の移り変わりだけを抽出してみせた、アニメーション。シンプルな表現のなかの繊細さは際立ってセンシティブに感じます。そして同時に、視覚のみならず触覚や聴覚の悦びもある多感な作品でありながら、西洋絵画や浮世絵からモチーフをインスパイアされているという知的な面もひそんでいます。色々、考えだすと考えさせられてしまう、奥の深さを感じてやみません。


公式サイトも楽しいです。展覧会の方がもっと面白さが伝わると思いますが…。展覧会は巡回しないようで、ちょっと勿体ない気がします…もし水戸の方に行かれる方は是非是非足を伸ばしてみるのをおすすめします。なんだか、ほんと感想みたいなことしか今回書けません。すみません。でも最近みた中で、ほんと良かったです。



ジュリアン・オピー 2008年 7月19日(土)〜 10月 5日(日)
月曜休館、ただし 7月21日、9月15日(月・祝)は開館、翌22日、16日(火)休館
http://www.arttowermito.or.jp/art/...

この展覧会は「UK- JAPAN 2008」のイベントの一環でもあるそうです
http://www.ukjapan2008.jp/events/...

ジュリアン・オピー / 水戸芸術館現代美術センター

このページに
携帯でアクセス

2次元バーコード対応の携帯で読み取ってください

プーク画像 投稿者:
プーク
  • 2008/08/19更新
  • 2008/08/18登録
  • 951クリック

ソーシャルブックマーク

  • このページを含むはてなブックマーク
  • このページを Yahoo! bookmarks に登録する
  • このページを del.icio.us に登録する
  • このページを livedoorクリップ に登録する
  • このページを POOKMARK Airlines に登録する
  • このページを Facebook に登録する

コメント (9)

最新コメント5件

2008/08/19

プーク umiumiさん、最近のアートシーンの動向に関し、ご共感頂きありがとうございます。…しかし、低俗なエゴに対する批判的な内容が、こんな個人的な感想レベルのKWということに関して、私は恥ずべきですね…。水戸に行かれるのでしたらアーティストランニングのスペースなど(キマワリ荘とか)も一緒にまわれるとよいかと思います、ご存知かもしれませんが。。

プーク birochanaさん、えーと、確かに最近の若手作家なんかには本文で書いたような自己中心的な陶酔がみられがちですが…それが、私小説的かエッセイ的かどうかといったら、ちょっとよくわからないのが正直なところです。私小説もエッセイも「主観」を大事にしている点は一緒ですが(「主語が私」)、エンターテイメントとして表現としてそれが昇華されている場合、決して独りよがりにならない同時に多くの読者にうったえ得るものではないかと思うからです。私が例にあげているのは、もっとなんというか日記、のような読者を想定しないような自分勝手万歳主義といいましょうか…そんな感じのものです。そして、国民性の問題というのは…、、なんというか私なんぞが日本文化の傾向を語ることなんて全くおこがましいのですが、とりあえず明治と書いたのは、日本の美術教育において自我の確立という表現方法が学ばれた(はじまった?)からです。一度、KWにして削除してしまった藝大でやってた展覧会で、卒業制作の自画像ばかりを集めた自画像の証言というのがあったのですが、藝大設立当時から現代に至るまでの、自画像を通しての「主観のありかた」のかわり様を見て取る事ができ、とても興味深かったです。国民性とは、現代の一断片からははかれないもの、というのが自分の理解です。すみません、長くなってしまいましたが、うまくお返事になっていますでしょうか。。。

2008/08/20

birochana ありがとう。よく分かりました。軽い投げかけしちゃってたのに、感謝。おっしゃる傾向は私としては絵画よりなおいっそうダンス等では特に腹が立つほど顕著に思えます。上手く言える自信は無いですが、そのあたりとは格が違う「巧く昇華されたもの」までも含めて考えても、私としては、日本人は私小説化する性質上のDNAがあるように感じています。鎖国が解かれた文明開化で先陣が格闘してつかみ取って来たものの影響も大きいかもしれないですが、個として独立した存在を捉える事が得意ではない「和」という考え方があると思ってます。得意でない「個」と格闘しきれてないと、勘違いっぽく仕上がるという図式で考えてるんです。どんどんKWの主旨と離れていってご免なさい。ところで、自画像のKW憶えてますが消されてたんですか?びっくり。

birochana ええっと、独立した個、が確立できてこそ、広く問いかける語りかける共感を生む事が可能かなあと。確立してない「脆弱な基盤の個」のままで創作すると、閉じて見えるというか、自分語りであることに疑問を感じないだろうなと。どんどん意味不明にしている(滝汗)

2008/08/21

プーク すみません、ダンスのことはよくわからないのですが…… 鎖国以降、そしていくつかの時代の変革期を通過しながらも、近代的な自我を確立しえなかったのではないか、ということを前提に現在ものごとは進んでいる(むしろそれを売りにして?)いるのだと思います。だからこそ、オピーの作品の地に足がついた感じが頼もしく感じるんです。根底にあるものが全然違うような…そこにはっとしました。言葉でうまく説明できないのですが、、ですが(何度もひっくり返していてすみません)、勿論日本人に国際的に活躍した人がいないわけでも、これからでてこないわけでもなく、あくまでも私の狭い視野の中でのひとつの着目にすぎないということを着け足しさせて下さい。すべてにおいてネガティブな気持ちでいるわけでも、そしてそうあってもならないのです…!それより、自画像のKW、覚えてて下さるなんて…嬉しいです!あれは自分でも気にいって書けたと思ってたんですが、諸事情があってやむなく削除したんです。復活させたい気もするのですが、下書きとか全然残していなくて…幻のKWです。birochanaさんのようにいつも読んでくださる方がいるのだなあと思うと、なんか頑張ろうという気持ちになります。嬉しいです。

つながりキーワード (3)

UK-JAPAN2008

  • (コトコ)

今年は、日英修好通商条約調印150周年という記念すべき年だということを知った。 お出かけする前などに、下記サイトのイベント情報をチェックすると良さそう! UK-JAPA...

NMAO 国立国際美術館 http://www.nmao.go.jp/index.html 大阪中之島にある美術館。 私にとっては、関西で一番面白いモノをやってくれる美...

Julian Opie

  • (coco)

ロンドン出身のアーティスト 彫刻家? よく知らないのだけど、 この人の描くポートレイト、好き シンプル だけど 的を射てるんです  人間の目って、点ひとつで表...

携帯でこのページにアクセス

ジュリアン・オピー / 水戸芸術館現代美術センター

2次元バーコード対応の
携帯で上の画像を読み
取るとアクセスできます

トラックバック (0)

まだトラックバックされていません。

トラックバックURL
http://www.kanshin.com/tb/keyword-1533193

関心空間人気のキーワード

キャンペーン

携帯実験サービス『moyoli』
ページの先頭へ ページの先頭へ