島村菜津@ECO JAPAN
世にもマヌケなスローフードへの旅
2000年『スローフードな人生!—イタリアの食卓から始まる』で日本に“スローフード”を紹介した島村菜津さんが、ECO JAPANのサイトに「世にもマヌケなスローフードへの旅」という旅のエセーを寄せている。
昨年夏サハラから始まったシリーズは南米や中央アジアなどを経て、今回はハノイを訪れている。01年に私が訪れたころの首都はホーチミンに比べれば、まだバイクの音はそれほど気にならなかった。しかし、今や「夜通し聞こえる、虫の羽音のような音」という状態らしい。
中国から渡ってきた少数民族ターイ族が暮らす北部の町ソンラーで、合鴨農法の取材もしている。
野生の鴨を家禽化したものがアヒルだが、これと鴨(マガモ)を交配したのが合鴨。合鴨農法とは、この合鴨に水田の雑草を食べさせるという有機農法だ。高級食材として珍重され、今やほぼ入手不可能となっている野生の鴨の代わりに、収穫後にはその肉を楽しむこともできる。
同行した合鴨農家・古野隆雄さんの言葉──。
「ベトナムは、今まさに日本の70年代初頭、高度経済成長の真っ只中ですよ。(中略)今、この国で有機農業を説くことは、まるで川の流れに逆らう小舟です。でも、その小船もモーター付きの船に変わるかもしれないし、そのうち川の流れる方向だって変わるかもしれませんからね」
スローフードの伝道者となる以前、島村さんは『フィレンツェ連続殺人』(共著)や『エクソシストとの対話』など、かなりハードなルポを書いていた。後者は第5回21世紀国際ノンフィクション大賞(現・小学館ノンフィクション大賞)優秀賞を受賞している。
- 2008/08/30登録
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