カワグチカイジ イーグル
かわぐちかいじ『Eagle』
『沈黙の艦隊』『ジパング』『太陽の黙示録』などで知られるかわぐちかいじが 1998 - 2001 年までの期間、ビッグコミックで連載していた作品で、単行本は全 11 巻。
アメリカの大統領選挙を描いた作品で、具体的には日系アメリカ人候補が大統領を目指すストーリー。大統領選挙というアメリカならではの一大イベントを通じてアメリカ社会を描きつつ、同時に日本とアメリカの関わりや日本人としてのアイデンティティの在り方にも言及している辺りはさすがにかわぐち作品という感じです。
久しぶりに読み直してみたんですが、まさにこれから大統領選挙本番に突入せんとしている今のタイミングで読むと、あらためてアメリカの社会についていろいろ考えさせられます。本作では日系アメリカ人候補が取り上げられているわけですが、本作執筆時には(そして現在でも)初の有色人種の大統領について描いているということになるわけで、それは今年の大統領選挙のバラク・オバマ氏にもそのまま当てはまるわけです。特に、この作品の中で描かれている「アメリカ人の意識の中に潜在的に(そして、多くの場合、無自覚的に)ある人種感覚みたいなモノ」が、これからの大統領選挙の中でどう表れてくるかなど、とても示唆に富んでいて、これからの動向を見ていく上でも、ちょっと参考になりそうです。
『沈黙の艦隊』『ジパング』『太陽の黙示録』といった代表作に比べると、それほど知名度の高い作品ではないのかもしれませんが、今読んでみるとリアリティを持って楽しめるんじゃないかな、と思います。
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