Eric Rohmer “Triple agent”
エリック・ロメール『三重スパイ』
有楽町朝日ホールで行われていた企画上映で、エリック・ロメールが実話を参考に創作したという日本未公開作品『三重スパイ』を観てきました。
http://www.asahi.com/event/fr/...
夫はパリに亡命した元ロシア帝政軍将校、妻は画家のギリシア人。リンク先では「スパイ、裏切り、騙し、隠蔽に満ちあふれた痛快サスペンス劇」と紹介されていますが、どうも痛快さは感じられず。確かに物語は夫の仕事(スパイ)によって二人が危うい状況にあることを匂わて進みます。でも諜報活動の現場が映されることはほとんどなく、大半は妻の目線で描かれているので、観客は夫や隣人たちとの会話、ニュース映画の映像から不穏な空気を汲み取る以外にありません。一体、夫は誰のために、どの国の側について働いているのか?
政治的な背景を別にしても、パリという街では二人とも異邦人。終始居心地が悪そうなので、妻の療養目的で郊外の家に移ったときは、開放的な雰囲気に救われます。でも、環境は変われど状況は変わらず。暗雲はさらに低く立ちこめるのでした・・・・・・。
失脚と背中合わせの夫婦の話なんて、息が詰まりそうでイヤ?いえ、そこはロメール。会話の可笑しさから気まずい関係が浮き立って、やさしい笑いと皮肉な笑いを誘います。衣装や室内小物も洒落ているので、そちらにもご注目ください・・・って、今後の公開、DVD発売の予定はなさそうですが。有楽町朝日ホールでは、次回9月14日(日) 15:45上映予定です。
追記)
http://www.excite.co.jp/News/...
有楽町のあとは『罪の天使たち』(ロベール・ブレッソン監督)、『あなたの目になりたい』(サッシャ・ギトリー監督)、『最後の切り札』(ジャック・ベッケル監督)と一緒に、来年3月までに全国10会場で上映予定だそうです。
追記)上映情報見つけたらアップしていきます。
・神戸アートビレッジセンター 10月17日(金)〜10月19日(日)
http://kavc.or.jp/cinema/
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コメント (5)
2008/09/12
ピラフ一味 これはこれは貴重な情報ありがとうございます!この作品、当時から気になってたんです。
mtm 三重(みえ)・・・なるほど、都道府県サスペンスシリーズ第5弾、みたいな。 日本では以前どこかの映画祭で上映していたみたいですね。今回の巡回上映、なによりです。
2008/09/13
RIO ロメールの作品は日本での上映権利が今年で終了する作品が多いとのこと(ユーロスペース・ロメールの季節より)なので、これは貴重な機会ですし、やはり面白いのですね。けど予定入れてしまって観られない…。
mtm 一緒に観に行った友だちからもこの機会に・・・とユーロの上映を勧められました。『三重スパイ』は大胆な映像とか派手な演出がまったくなくて、会話劇に慣れていない人には退屈かも。
2008/09/14
ピラフ一味 権利絡み、ほんと哀しいですよね。DVDもボックス限定だったり、単発でも異様に高かったりだし。ロメールはもっと一般認知してもおかしくないんだけどなぁー・・・。
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