マルボロシホンシュギ
マルボロ(マールボロ)資本主義
20世紀末の旧ソ連(ロシア)で起こった経済現象。
通貨ルーブルの信用力が国内でも著しく低下し、輸入タバコのマルボロが通貨代わりに流通した。
それが転じて、政府・中央銀行以外の主体が(意図する、しないにかかわらず)供給する通貨(またはその代替物)が、本来の通貨以上の信用力を持つ現象を指す。
すでに旧ソ連では高級品はドルや円などの外貨でしか購入できなくなっていたが、この時は日用品や食品などを販売する自由市場ですらルーブルの受け取りを拒否されるようになっていた。
とはいえ一般庶民が外貨を手に入れるのは極めて難しく、貨幣の代わりとして未開封のマルボロが使われるようになった。
つまり、当時のソ連では、ルーブルで買い物はできないが、マルボロでは買い物ができた。商店は買い物客から受け取ったマルボロで、商品を仕入れていたわけだ。
エコノミストを驚かせたのは、国家による公的な信用の裏付けなしに「通貨」が成立しうるという事実だった。つまり、「持ち運びが容易で、保存が利き、明らかに通貨(代替物)であると判別できるもの」であれば、何でも通貨になりうる」ことになる。
自由主義経済への移行に伴うルーブルの復権で、マルボロ資本主義は収束する。しかし、通貨危機が長期化した場合、どこの国にも起こりうる現象だ。さらに先進国でも、企業など民間セクターが発行する電子マネーが、中央銀行の通貨よりも信用力を持ちうる可能性もある。通貨にもデファクトスタンダード(事実上の標準)の原則に当てはまるというわけだ。
事実、サイバー空間「セカンドライフ」のバーチャル通貨「リンデンドル」は、リアル(現実)通貨のドルと交換(換金)されている。個人輸入の決済手段として使えば、送金コストや両替コストが節約できるなどのメリットもある。通貨がデファクトスタンダードだとすれば、「マルボロ資本主義」が復活する可能性は十分ある。
- 2008/09/21更新
- 2008/09/20登録
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