キース・ジャレット・トリオ - アット・ザ・ディア・ヘッド・イン
Keith Jarrett Trio - AT THE DEER HEAD INN
数あるキースのトリオ録音の中でもとりわけ重要なものの一つ。1992年にペンシルヴァニアのアレンタウンにあるディア・ヘッド・インという小さなクラブでのライヴ。いつものキース・トリオとは異なって、ドラムスはジャックではなくポール・モチアン。
そう、アレンタウンはキースの生まれ故郷で、彼はこのディア・ヘッド・インでキャリアをスタートしたのだ。これはそのクラブのオーナーの代替わり(オーナーの娘と義理の息子が引き継いだ)を祝って、キースが一夜だけのギグを開いたときのもの。ジャックはホントにスケジュールがあわなかったため、ポールをアサインしたとのこと。
これらの条件ら想像できるように、キースにしては非常にレアな条件下での録音である。コンディションのあまりよくないピアノ、旧知の仲とはいえ10年以上一緒に演奏していなかったポールとのトリオ。
結果としてみると、これらの条件はプラスに働き、キースのジャズに対する姿勢をより鮮明にすることに貢献した。ポールが入った影響か、グルーヴはいつもよりもシンプルでストレートになり、表現の核心が見通しやすくなっている。
そこでキースが明らかにしたのは、ジャズが本来持っていたコミュニティに根ざした共感にもとづく非常にパーソナルな表現である。そのパーソナルな表現が聴き手にとても強く訴えかけてくる。これは彼らの表現が多くの聴き手にあたらしい共感をもたらしていることを示し、彼らの表現がユニヴァーサルであることを逆説的に証明することにつながっている。
- 2001/12/01更新
- 2001/12/01登録
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