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構造構成主義とは何か@コピペで綴る入門(2)ソシュールから構造主義科学論へ

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構造構成主義とは何か@コピペで綴る入門(1)判断中止→還元→関心相関性 において現象学の基礎はマスター(!)したので今回はいよいよ本丸、構造主義科学論の攻略である。

(1)構造主義科学論とは何か

構造主義科学論は帰納主義を前提とせずに科学の要件を抽出することを目的とした考え方である。

ここに、帰納主義とは、1600年頃、イギリスのベーコンによって提唱された「科学についての思想」である。そもそも、帰納とは、「個々の経験的事実の集まりから、そこに共通する性質や関係を取り出し、一般的な法則を導き出す」ということである。

池田清彦(構造主義科学論の提唱者)は、帰納主義は①外部世界の実在性と②認識構造の同一性を前提としているが、その前提の正しさを人間は論理的に実証し得ないとして、上の①②を前提としない科学論を構築した。それが構造主義科学論である。

実証し得ない理由を俺なりに端的に表現すると、科学にせよ理論にせよ何にせよ、物事というものは言語によって語らざるを得ず、その言語自体が①外部世界の実在性と②認識構造の同一性を前提として成立しているからである。眼鏡は眼鏡の正確さを眼鏡によっては実証できないということである。

ということで、構造主義科学論理解のキモは①外部世界の実在性と②認識構造の同一性を前提としないで科学は成立するかという問題意識を持つこととなる。

以上、「外部世界の実在性 認識構造の同一性」で検索して上記のようなことを述べている記事を探したけど見つからなかったことを付記する。
また、検索して見つけたどなたかの勉強メモに帰納主義、反証主義、構造主義科学論のまとめがあるので参考まで。

(2)構造主義科学論攻略の前にちょっと寄り道→ソシュール。

初心者が「構造構成主義とは何か」を読む ~その3~を読むのが一番、手っ取り速い。ここから、エッセンスだけを抜き書きすると、

まず、2つだけ用語を覚える。「シニフィエ」と「シニフィアン」。シニフィエは「同一性」という意味で、言葉が指し示す内容みたいなもの。シニフィアンは「発音・表記」という意味でシニフィエを具体的に言い表す言葉そのもの。「犬」と「dog」ってのはシニフィエは 同じものだけどシニフィアンは異なる。

要するに、我々がコトバと読んでいるものを

 コトバ=シニフィアン(記号)+シニフィエ(意味)

と因数分解したのがソシュールのエライところだ。

ここで、シニフィアンは不変同一(だって、記号だもん)、そして、シニフィエの方の理解が重要で、シニフィエとは(今回、俺も初めてちゃんと理解した)意味→シニフィアンの指示対象/そんなものホントウにあるのか(外部世界の実在性を疑う)→そこで、シニフィエを「同一性」と読み換えることが構造主義科学論の理解では大事な伏線となるのだ。

コトバは他のコトバとの「差異」から浮かび上がる「関係概念」

上のコトバはシニフィエではなく、シニフィアン(同一性)と読み換えるのがいい。
つまり、コトバの意味は(何かの対象を指示していると思うのが自然的態度だけれど)実体を指示しているのではなく関係を示しているということである。
(例)桂馬の意味は将棋の駒「桂馬」という実体を指示しているのではなく桂馬が将棋というゲームで使用されている総体である。
(ウィトゲンシュタイン)言葉の意味は言語におけるその使用である。

原理的にコトバは「恣意的」(社会的)なものである

どんな動物を狼と呼び、犬と呼ぶかは恣意的(その社会、文化でそれぞれ異なる)。すなわち、コトバによる分節に実体的な理由は無いということだ。

以上を要するに、コトバの意味(シニフィエ=同一性)は実体ではなく関係を示す恣意的なものということである。

(3)構造主義科学論の攻略

おさらいをすると、構造主義科学論理解のキモは①外部世界の実在性と②認識構造の同一性を前提としないで科学は成立するかという問題意識が必要であった。
そして、構造主義科学論は、上の①②を前提としないでも科学(共通了解)は成立するとする。

なぜなら(池田清彦の文章を孫引く)、

科学とは、「明示的な関係形式の記号部」に「内容(シニフィエ)を代入することによって、「単語の形でしか形式化されていないシニフィエ(同一性)」を「構造」に変換する試みといえる。二者間で科学理論が共通了解可能になるためには、必ずしも理論構造に含まれるコトバのシニフィエが共通である必要ではなく、構造の形式が同じであればよい。

からである。

「明示的な関係形式の記号部」というのは「時間、空間、主語・述語」なんかを思い浮かべればいいのかなあ。あるいはカントのカテゴリ(カントはカテゴリを客観的実在の反映とはみなさなず、純粋悟性の真の主要概念)などでもいいのかもしれない。

池田清彦は要するに、人間の認識構造に同一性を要求するのではなく、人間の論理構造(カントに言わせれば純粋悟性)に同一性(蓋然的。なんとなれば実証は無いから)を見出し、これを独我論から脱出し共通了解可能とするための回路としたように俺は思う。
犬か狼か認識に議論はあってもその認識を基にした悟性判断・処理の構造に同一性があれば共通理解可能ということである(ちょっぴり、問題のすり替え臭いなあ)。

だから、構造主義科学論を下のように端的に表現できる(心脳問題―「脳の世紀」を生き抜くという本 からの引用とのこと。面白そうな本なので図書館にリクエスト済み)

池田によれば、科学は真理を目指すのではなく「同一性」を目指す営みである。変化する自然現象を、変化しない同一性(言葉)で記述すること、これが科学の営みだというわけです。簡単すぎるくらいですが、これ以上の定義はありません。

そして、池田自身は構造主義科学論から多元主義社会を次のように基礎付ける。思うに、彼こそは真正のリバタリアンだと思う。言い換えれば、全てのリバタリアンにとって構造主義科学論は理解不可欠なのである。参照→我がリバタリアン宣言

外部世界も実在しないし、唯一の正しい科学理論もありません。理論や政策の真理性という話は全部インチキです。擁護すべきものは、世界中の人々の意識の中に存在している、相互に共通であったり背反したりしている多元的な心的構造の実在性だけです。
私がここで提唱している多元主義社会は、世界の人々が、破滅に向かわないで、共存可能な、恐らく唯一の最終社会形態です。

「世界中の人々の意識の中に存在している、相互に共通であったり背反したりしている多元的な心的構造の実在性」を唯識は人人唯識(一人一宇宙)と何千年も前に表現したし、また、ライプニッツはモナド(簡単に言えば、モナドとは、デカルトの立場から見られたアリストテレスの「形相(イデア)」)と名づけたのである。

諸法無我、人人唯識、諸行無常(最近の俺の念仏なり)。そして、唯識もライプニッツもカントもウィトゲンシュタイも池田清彦も同じ念仏を唱えていると俺は思うのである。

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