リョシュウ~イカルガニテ~
旅愁~斑鳩にて~
この歌に初めて出会ったとき、冒頭の「斑鳩を旅するのなら春よりも秋がいい/あなたが言ってた通りです」と言う一節にかなりのショックでした。
私が、常々、何となく、感じていたことだったのです。春、「奈良斑鳩」の旅に誘われた時、「奈良、斑鳩を訪ねるのなら、秋にしようよ」と言ったことがあったからでした。滅びし、いにしえの文化、殊に、この、聖徳太子を偲ぶ斑鳩の里には秋が相応しい。漠然と感じていたそれを、歌謡曲に取り入れて、、、随分格調高い感性の詩になっています。
後に続く詩の言葉の数々、素晴らしい。作詩は誰?この時、初めて、「松本隆」と言う人を知ったのでした。
♪斑鳩を旅するのなら春よりも秋がいい/あなたが言ってた通りです/一筆の墨絵のような山の辺のスケッチを都会のあなたに送ります/あああしみるでしょう 夕陽の赤が/あなたの口紅より淡い色でしょう/万葉集の文庫本手に/坂道のぼれば葉はくれないに/ああそれは失くした恋の彩りでしょう
♪斑鳩を行き交う人は何故かしらひとり旅/生きてる事って淋しいね/寺にある絵馬の裏にはいくつもの願い事/あなたの名前もありそうで/あああ染みるでしょう 秋から冬へ/季節の縫い目たどるぼくが見えますか?/すすきの海がふたつに割れて/手を振り駆け寄るあなたが揺れる/ああそれは失くした恋のゆらめきでしょう
♪斑鳩はいにしえの里街の色しみこんだ/自分が不思議に恥ずかしい/君だけが女じゃないと嘘ぶいて強がった昨日が歯がゆく想えます/あああしみるでしょう 時の流れが/二人のつないだ手をほどいたのです/ポケット・カメラ構えるぼくに/あなたによく似た少女が笑う/ああそれは失くした恋の陽炎(かげろう)でしょう
かなり、この歌はキャンペーンをはって、宣伝されたようだったが、、、、。ヒットはイマイチだったように記憶している。レコードを買ったら、ペン皿がついてきたりして、びっくりしたものだ。
何故ヒットしなかったのか、私は思うのだが、歌謡曲の世界にしては、高尚すぎる「詩の世界」だったろうか。また、曲の題名、これが、陳腐過ぎたのではないか。それに、歌い手の布施さんも、まだ、「シクラメン後遺症?」が尾を引いていて、少々お疲れで、熱が入ってなかったのか?後になって、奈良地方ではよく売れていたと言うことを聞いたことはあるが、、、。
コンサートでも(当時のコンサート以外では)、私は、一度も聴いていない。残念至極である。
ヒットしなかったけれど、私は大、大、だーい好きな一曲で、この詩の主人公になりきって、車の中で、晩秋になると、リピートして聴き、酔いしれていたものである。
車で奈良へ出かけると言う人に、いつも、この歌をテープに入れて差し上げたりもした。「布施明」って、結構、深いねーなんて、言われたりして、いい気分になっていたものだ。
それにしても、何事でも、「ヒットする」ってことは難しいものだとつくづく思う此の頃である。
1977発表 作詩・松本隆 作曲・川口真 編曲・船山基紀 唄・布施明
松本隆 1949生まれ 東京都出身 Wikipediaに詳しい。
松本たかし(1906・明治39)~(1956・昭和31) 俳人 東京都猿楽町出身
いずれも、Wikipediaに詳しい。
こちらで、聴かせていただけます。
- 2011/10/24更新
- 2008/10/30登録
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コメント (8)
最新コメント5件
2008/12/16
forget-me-not 歌詞を全部書いて下さって、ありがとうございました。この曲は、母がとても気に入っていたのでよく聴いていた覚えがありますが、歌詞を詳しくこうして読んでみたのは初めてです。何かとても高尚で、歌謡曲にしては難しいイメージが当時ありましたが、調べが美しく、題名が私には斬新でした。私は帰国子女なので、特に奈良・京都に憧れをいだいたものでした。「一筆の墨絵のような。。。秋から冬へ/季節の縫い目たどるぼくが見えますか?。。。すすきの海がふたつに割れて」等々、情景が浮かぶ美しい詩ですね。今改めて、布施明の唄に惹かれるのは何故だろう、他の歌手とどこが違うのだろう。。。花野のKさんが適確に表現されておられるように、布施明の「憂いを含んだ明るさ」なのですね。この人の歌、お人柄ともにそれを体現しているのですね。
花野のK また、また、forget-me-notさま、コメント有難うございます。斑鳩を、旅したい気持ちに、確かに、なりますよね。ところで、話はまるっきり異なりますが、、、、。今日ご出演の[本当は恐い、、、家庭の医学」、眠っちゃいましたねえ、、、(涙)録画予約しときゃなくっちゃ、、、と、思っていながら、それさえせずに、、、、。ま、ご縁がなかったのでしょうね。諦めます。話題が逸れてごめんなさい。布施さんの魅力はやっぱり、あの[声」、だと、思っています。少なくとも、私にとっては。色々、失礼いたしました。
forget-me-not 花野のKさま、
「本当は怖い。。。家庭の医学」みてましたけど、あまりに長かったので、私も途中居眠りをしてしまったら、娘に「おかあさんもアルツハイマーの気があるんじゃないの」、と言われてしまいました。布施さんは、コンビにある物をできるだけ沢山書くというところでひっかかり、レッドゾーンにあげられてしまっていましたが、コンビに行くときはたいてい雑誌を買い、次にビールを買って、すぐレジに行くのでコンビニで何が売られているのかよくご存じないというだけのことのようでした。花野のKさまのおっしゃるとおり、布施さんの魅力はあの「声」で歌う歌ですね。やはり歌が聴きたいです。
2008/12/17
forget-me-not 「コンビ」ではなく、「コンビニ」の間違いでした。すみません。私もちょっと寝不足です。
花野のK forget-me-notさま、「、、、家庭の医学」のテレビの内容が、なーんとなく解りました。有難うございました。
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