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なぜ僕は「悪魔」と呼ばれた少年を助けようとしたのか

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 元「光市母子殺害事件」の弁護団の一人だった弁護士、今枝仁氏による、ドキュメンタリーの本。

 近年、読む本といったらドキュメントとか、ノンフィクションものが多くなってきた中で、事件ものの記事をネットで読むようになりました。折りしもその頃、「差し戻し審」が始まり、わたしは最初、被害者遺族の本村洋さんに興味を持ちました。

 そんなある日、本屋で本を眺めていてふと目に入ったのが、この本でした。
 わたしはそれまで、なんとなく「泣き虫弁護士」のことをちらっと聞いたことがあるだけで、今枝弁護士自身についてはよく知りませんでした。その後、買うチャンスがあったので購入しましたが、難しい言葉と、たくさんの漢字に読み解くのに時間がかかり、夏以来、止まっていました。現在もまだ、読み終えていません。
 先ごろ本村さんを追ったレポが発売されたのを見て、またこの本のことを思い出し、読んでいます。これを読んでいると、ダライ・ラマの言葉じゃないけど、「本当に人の困難を目にすると、自分のそれは大したことではなくなります。」という言葉を思い出し、本当にそのとおりだな、と思います。
 昨日読んだ部分ですごく心に残った言葉があります。「ドイツなど大陸国でよく言われる『個の確立のための闘争』」というものです。これは、今枝弁護士の生い立ちについて書かれた章に出てくる言葉ですが、彼の人生の「ビルド&クラッシュ」についてそこでは書かれていて、自分と同じ経験を明確に目の当たりにしたのは初めてで、びっくりしました。
 「個の確立のための闘争」、「ビルド&クラッシュ」どちらの言葉も、わたしの一回崩れ去った価値観を再構築する(今もですが)間に知った言葉です。
 まず驚いたのは、わたしの経験がしっかりと「言葉として存在してる」ことでした。言い表す言葉があったことに非常に驚きました。
 根底から価値観が崩れる。これは本当に経験してみないとどんなことであるかわかりません。いい、悪い、正しいか、正しくないか、こういった判断ができないのでは、普通の生活を送る上で大きな障害が生じます。何がよくて何が悪いか、何が正しくて何が正しくないのか、自分すら信じることさえできなくなるし、それを説明する言葉さえ失います。そういった中で生活していくのは、とても難しいです。そこから、また「生きよう」と前向きになれるまでわたしは2年かかりました。今のわたしにとっての課題は「喪失と再生」です。誰かの死を持って、生に繋がる。こんな悲しくて情けないことはありませんが、、、。
 同じような体験を赤裸々に描いたこの本を読んだとき、わたしは共感と共に、複雑な気分になりました。なんと言ったらいいのか、表しようがありませんが。

 そういった意味で、彼が被告少年の受け皿になろうとした覚悟や、慈愛を理解することができました。
 わたし達はみな、愛が必要です。ダライ・ラマが言うように、自分を思いやることができない人は、他者を思いやることなど不可能、なんだな、と。被告少年を一人の人間として愛を持って人生を賭け支えようと(今も)している彼の覚悟と思いを感じました。少年(当時)が、今枝弁護士に会えたことは、本当にかけがえのない、大切な出会いだったのだと思います。

 この本を読み終えたら、本村さんの本も読んでみたいと思います。

なぜ僕は「悪魔」と呼ばれた少年を助けようとしたのか

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根岸画像 投稿者:
根岸
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  • 2008/11/18更新
  • 2008/11/13登録
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