フジワライオリ
藤原伊織 さん
私には「名前」だけの理由で入っていきづらい作家がいる。
そのうちのひとりが藤原さんであった。
実は男なのか女なのかわからないと思っていたぐらい、
まったく近寄ろうとしていなかったのだ。
ところがだ。
人から勧められ読み始めた途端、「この人は好きだ」と思った。
文章の「匂い」というのだろうか。
読んだのは「テロリストのパラソル」。
暗くモノトーンの世界。
ハードボイルドの典型ともいえるような登場人物たち。
どうしようもない時の流れ。
そして、泣きそうになるほどの優しさ。
そういういろんな点で優れた作品だと思うのだけれど、
私にとっては、やはり「匂い」だな。
私はこの「匂い」に向かっていきていこうとしている。
非常におこがましい表現であるが、「同じ世界の人」であると感じさせられた。
既に故人となられている。
人生は思っているほど長くない。
食わず嫌いはよくないぞ。
- 2008/12/07登録
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