きゅうかなづかいでみやざわけんじをよむ
旧仮名遣いで宮沢賢治を読む
宮沢賢治を読むなら「ちくま文庫」と決まっているのです。
これだけはどうしても、譲れないのです。
なぜかというと、ちくま文庫は旧仮名遣いだからなのです。
現代仮名遣いだと、情緒が半減してしまう気がしてならないのです。
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「わからないねい。こんなにきれいなんだもの。ね、ごらん、こっちのうめばちさうなどはまるで虹のやうだよ。むくむく虹が湧いてるやるだよ。あ丶、さうだ、ダイヤモンドの露が一つぶはひってるんだ。」
ほんたうにそのうめばちさうは、ぷりりぷりりふるへてゐましたので、その花の中の一つぶのダイアモンドは、まるで叫び出す位に橙や緑や美しくかがやき、うめばちさうの花びらにチカチカ映って云ひやうもなく立派でした。
(「十力の金剛石」より)
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この何ともいえない愛しさは、旧仮名遣いならではだと思うのです。
読んでいると、なんだか悲しくて、でもちょっと可笑しくて、
一行一行をそっと包んで仕舞っておきたいような、
いい気分になるのです。
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