吉野家より美味しい!? ( 前編)
吉野屋にそっくりな 『牛野家』・・・
吉野家は日本を代表する美味しい牛丼の老舗だが、タイには牛野家(ぎゅうのや)が存在し、その味はかなり絶品だという。店やスタッフの制服、そして味までもが吉野家にソックリで、そのソックリ度は日本人観光客が「てっきり吉野家だと思って食べていました」というほど高レベルなマネ具合。
いや、これはマネではなく吉野家に対するオマージュやインスパイアという言葉が当てはまるかもしれない。なぜなら、他の有名牛丼チェーン社長が「吉野家の味はマネできない」とあきらめてしまった吉野家の味を、牛野家が限りなくソックリに再現してしまったというからだ。それは、単なるマネではできない芸当だ。しかし、本当に吉野家に近い味なのか? これは実際に食べてみる必要がある。取材班は、タイ・バンコクへ飛んで実際に牛野家に潜入取材してみた。
牛野家は、タイの首都・バンコクの日本人街でありキャバクラ街でもあるタニヤ通りの路地に店舗をかまえている。店舗を外から見ると、確かに吉野家にソックリ……というか、店名が違うだけでほとんど同じである。これは、日本人観光旅行者が吉野家と間違えても不思議ではない。外に飾られている垂れ幕に、牛丼120バーツ(360円)、豚丼80バーツ(240円)、鮪丼180バーツ(540円)と書かれており、価格が日本よりやや安いことがわかる。
さっそくなかに入ってみると、吉野家同様にオレンジ色を基調とした制服の店員が4名ほどカウンター内におり、客も多く繁盛しているせいか、忙しく厨房で働いていた。取材班は牛丼の並み盛りと味噌汁、生卵を注文。看板に掲載されている写真を見る限りでは、吉野家の牛丼とほぼ同じ見た目である。また、店内の張り紙によると、ここで使用している生卵はナコンチョーク県クンダンダム・カオヤイ国立公園の森で飼育されている鶏の新鮮な卵だそうで、生のまま食べられることを強くアピールしていた。タイでは衛生面の心配からか生の食材を食べることに抵抗がある人がいるが、ここの生卵は大丈夫ということなのだろう。
厨房を覗かせてもらったところ、牛丼の具はふたつのズンドウ(底の深い大鍋)に入っており、ひとつを客に提供している間に、もうひとつを煮込んで完成に近づけるという方式をとっている様子。実際にそうなのかさだかではないが、客に出して具が少なくなったズンドウに、もうひとつのズンドウの具をオタマで移動させていたので、たぶんそうなのだろう。ちなみに、ズンドウはガスコンロではなく電気式の調理プレートで保温していた。店員は注文から 30分もしないうちに牛丼を取材班の前に置いた。日本のようにスムーズな調理なのも吉野家と同等だ。
そして肝心の味だが、驚くことに「ここは吉野家のチェーン店なんじゃあないのか?」と思ってしまうほど吉野家の味にソックリで、そして美味しいではないか。そんなことを言うと「こんなのは吉野家のアジには程遠いですよ」と、真の吉野家ファンに怒られそうなのだが、吉野家を何度か食べたことがある人であれば、これが吉野家にどれだけ近い味なのか理解できるはず。肉のほぐれ具合はライスにピッタリで、タレとダシにはウマミがあってもトゲがなく、いつまでも飽きないやさしい味である。しいて吉野家との違いをいえば”肉の濃厚なうまみ”が牛野家はやや弱いかもしれない。だが当取材班は、この店を ”タイでいちばん美味しい牛丼を出す店”であると太鼓判を押してもいいと感じた。牛丼好きがバンコクにきたら、この牛野家に行かずしてどうするか? そこまで言ってもいいくらいの美味しさだ。
「もしかしたら吉野家より美味しいかもしれない」と、牛丼好きのタイ在住日本人を唸らせる牛野家。ここまでソックリの牛野家に対し、吉野家が何かしら動き出す可能性もなきにしもあらず。確かにソックリすぎる部分はやりすぎな気もするが、この味だけはいつまでも守ってもらいたいものだ。次回の後編は、牛野家で鮪丼を注文した様子を動画レポート付きでお届けしたい。なぜ牛丼屋でマグロなのか? その謎がわかる。
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吉野屋の牛鍋丼
- (TOMO*)
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