いむり
イムリ
ほの暗く淫美な三宅乱丈の世界が大きく花開きそうな、スケール感のある大作(になるんでしょう)。
痛かったり暗かったり落ちたりするマンガは怖いビビリのニジですから、三宅乱丈の作品というのはいつもおっかなびっくり。
ギャグマンガである『ぶっせん』すら途中でなんか痛くなっちゃって放置中だったりして。
なので多くは読めていないのだけど、彼女の作品はどこか一貫して“精神の陵辱”といったものを描いているように感じます。
そしてほの香る、もしくはむせかえるような、退廃の甘い芳香。
彼女のそういう強く生身にひびかせる個性は、強みでもあり、弱みでもあるのでは、と思っていました。
多分例えば『ベルセルク』みたいながっしりとした“物語”を描くのは苦手なんではないか、と思い込んでいたのです。
いや、待て。
なんたること!『イムリ』が面白いぞ!
2つの惑星を舞台に、古代から続く民族と階級の闘争、策謀、権力と欲望の物語。
その中心に彼女のテーマ(だとわたしが思っている)“精神の陵辱”をはっきりと打ち出したかのような「侵犯術」という超能力をすえ、これからもさらに複雑に絡まり合いもつれあうだろう人間関係を真っ向勝負で描いていきます。
強く生理的な持ち味を持つ作家が、本格的な物語を描いていくこの作品はもしかしたら凄いものになるやも。
楽しみに読み進めたい作品です。
単行本各巻にその世界の社会制度や用語を説明したペラがついている通り、やや難解なマンガですが、立ち読みですますにはややつらいかな、程度かと。
逆に物語の構造的には単純に展開しているように思えるので、これからさらに複雑に入り組んでいくと面白いかな、と思います。
ニジ的にはずっとぐじゅぐじゅと気になり続けていた作家さんなのですが、三宅乱丈、この作品で大きな実をつけるかもしれない。
多分代表作になるのは間違いないんではないでしょうか。
このキーワードを共有する
このキーワードはコミュニティに選ばれています(1)
-
メイン
コメント (5)
2008/12/27
Rume 私の中では「Pet」が一番ですが、「イムリ」も大作になりそうですね。新しい巻が出るたびに、忘れかけていた設定を頭に入れなおさなければいけないのがやや難ですが、その分読み込める感じがします。
ニジ わたしは最近どどどっと読んだので大丈夫でしたー。でもわたしも長い話って単行本刊行の間に筋を忘れるてることも最近増えてきて(マンガの筋や登場人物を忘れるなんて昔じゃ考えられなかった!)年かなあ、などと思ってしまいます。しょぼーん。
2008/12/28
ニジ 実は『ペット』って読んでなかったんですが、関心空間にもKWいっぱいで、実に面白そうですね!以前から高度なストーリーものを描いていたんですね。知らなかった。
Rume 「ペット」は打ち切りだったのにも関らず、伏線の使い方が非常に見事でびっくりさせられた作品。絵があそこまで濃くなければもっと万人受けするのにといつもおもうマンガ家さんです。
ニジ 打ち切りかぁ。それは残念ですね・・。絵は濃いと言うか、ちと癖がありますよね。でもわたしすごく魅力的なタッチだと思うんですけどね。イムリの子どもとか『ぶっせん』の正助とかたまらんです。もちもちした感じもうまい!(なんだそれ。/笑)
つながりキーワード (5)
入江亜季「乱と灰色の世界」
- (紙飛行機)
…ビームの単行本は、装丁がいつもずるいと思う。そんなわけで久しぶりに漫画をジャケ買いしたのですが…これがまあ、素晴らしい漫画であったのだ。 入江亜季。不勉強ながらはじめ...
月刊コミックビーム
- (たかなし)
エンターブレインの発行する漫画雑誌。混沌としている。
超能力&ヤクザという組み合わせの斬新さと精緻にはりめぐらされた伏線が素晴らしかっただけに、あからさまに打ち切りっぽいラストが残念だった作品。 今回のリマスタ...
イムリ(三宅乱丈)
- (ROUTE 436)
伏線のはりかたがうまい!そしてその伏線の回収のしかたもまたうまい!!おかげさまで「これからどうなるのか」が気になってしようがありません。 「ペット」以来すきになりました...
イムリ
- (kuruteku)
「ぶっせん」や「ペット」の作者、三宅乱丈氏の期待のコミック。 様々なジャンル間を独走してきた感じがある作者が今回とりくんだのは、SFファンタジー。 惑星間の叙事詩というS...






恋の門


