あいよりはやく
愛より速く
真性ポルノ作家 斎藤綾子,衝撃のデビュー作。1981年10月初版。
はじめて読んだとき,ポルノとはフランス書院文庫とかああいう意味(もあるけど)ではなくて,発禁寸前の危うさを指すのだと思った。あまりにやばくてあまりにショッキングだった。
性の商品化,カジュアル化を20年以上先取りして今なお新鮮さを失わない内容はすごい。どこからどこまでが真実でどこからがフィクションか,いまだにつかめない(一応,ノンフィクションの形態を取っています)。
セックスを扱っているのに一切の湿度を感じないドライでクールな文体,どこまでも澄み切った視線に痺れます。この5年後に発表される康夫ちゃんの「なんとなくクリスタル」の本質がきわめて伝統的な女性観に支配されていたことに比べると,斎藤綾子がいかに“進歩的”だったか。
20年の歳月を経て,本人は並みの作家になっちゃったけど,このデビュー作の輝きはいまだ色褪せてないと思う。
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斎藤綾子
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