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みずうみ (新潮文庫)

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東京からの帰り道に買いました。
わたしの風景と、小説の風景とばらばらに
いりまじって、でも、読んでよかったなあと思いました。

やっぱり好き。
いつかどこかで、よしもとばななの小説に
やはり戻っていく気がする。

ものすごく女の子の目線だからね。
わたしより数年、年上の彼女の作品に、
わたしたちはずっと、それこそずっと。
10代の頃から寄り添ってきた。

だから、彼女が成長するたびに、
作品の世界も変わり、そのたびにわたしたちも
また、読む。
そういうのを、ただ何年も何年も繰り返す
ことができてうれしい。

人を恋しいと思う気持ちをずっと忘れて
いて、(忘れようとしていて)ふいに思い出したんだ最近。
ああ、よかった。心から素直に好きで、
暖かくて、さりげなくて、自然で、よかった。

傷、みたいなものをこんなにいつもわたしたちに
届くように小説に描いてくれる人はいないよね。

はじめて「みずうみ」というメタファーが母親のように
思えた。

ーそれで、お母さんという生き物は、状況もなにも関係なく、
まず冷えた人をあたためて、お腹が空いている人に
何かを食べさせようと思う。そういうものだったと僕は
思い出した。ー211ページ

「お母さんに会った事がなくて。お母さんって分からないん
だ。」と夕暮れの道をふたりで歩いている時わたしが
言ったら、彼は黙っていてくれた。

つぶやきもためいきもしなかった。
ああ、すごくいいなあと思った。
それでいて、いろんなことをぜんぜん知らないままに
目の前にいる人をちゃんとぎゅっと抱きしめてくれる人だった。

それで、帰りにこの小説を読んで。
ああ、お母さんって「自分がなればいいんじゃないかな」と
思った。あたたかいご飯をつくろうとしたり、
あたたかい家であろうとしたり、何もなくても、ただ
そこで独りでもあたたかくさせようとする人。お母さん。

ああ、なんかこの人と結婚できればいいな、と思った。
そして、上手とか下手とかいいとか悪いではなく、
できるできないでもなく、ただ、自分がここにでてくる
みずうみのような感じを。灯して。
それだけでいい気がした。


装幀がほんとうに美しい文庫本です。



みずうみ (新潮文庫)

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投稿者:
菅原洋一
Amazon詳細情報 毎日更新
  • 商品名: みずうみ (新潮文庫)
  • 価格: ¥460
  • 著者: よしもと ばなな
  • 出版社: 新潮社
  • 発売日: 2008-11-27
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  • 2009/01/02登録
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