うるとらせぶん だいじゅうにわ
ウルトラセブン第12話
第12話が欠番となっていることは、今でも一般にはあまり知られていないようだ。円谷の意向で封印されてしまった真相は、いかにもウルトラセブンらしい興味深いエピソードである。
「昔は放射能に困らされたもんだよなぁ・・・」
唐突なフルハシ隊員のこの台詞からドラマは展開される。
ウルトラ警備隊は原因不明の貧血事故の解明に追われていた。これは放射能汚染により滅亡寸前に追い込まれたスペル星人が、独自の血液採取装置を駆使して地球人の血液を収集し、その計画を阻止するのが我らがセブン・・・といった話である。
この「遊星より愛を込めて」とタイトルされたこの回は、意外な所にクレームがついた。スペル星人の姿が原爆の被爆者を連想させる・・・限りなく人間に近いスタイルでありながら、被爆者のケロイドを模したようなデザインだったのだ。
結果としてこれがソレ系の団体の反発を買うこととなり、円谷サイドは苦肉の策としながらも、ウルトラセブン第12話を欠番扱いとし、以後永久にその存在を封殺してしまうのである。
円谷の意向に反し、ファンの間では欠番とされたこの回が半ば伝説と化してしまい、図らずも「幻の・・・」といったフレーズが冠されて、噂が噂を呼ぶ経緯となってしまった。
実はアンダーグラウンドでこのビデオは流出しており、案外簡単に手に入れることが出来る。存在するのは広島放送で再放送された際に、武田薬品のCMが入ったことから「タケダバージョン」とされるもの。アンヌ隊員の「実はドラキュラ・・・」というオリジナルにも収録されていないとされる台詞が、なぜか収録された「ドラキュラバージョン」なるもので、この二つが出回っている。
「ドラキュラ・・・」などが出回った真相は未だに謎とされている。実相寺監督ルートからというのがもっぱらの噂ではあるが、それはいったい何故?
その後、意外にもアメリカでこの回を含めたセブンの再放送があったそうだ。当然英語での吹き替えの為、画質に対しての評価は高いものの、音声は英語の為、高い価値は付かなかったようだ。
しかしセコイ商売をする奴がいて、海外版の上記映像にドラキュラバージョンの音声を乗せた裏バージョンを作ってしまったらしい。ここまで来ると邪道としか思えないが、画質重視の一部マニアには好評だったようで。
謎は謎のままにしておくのがいいとも思うのだが、存在を知ってしまえば見たくなるのが視聴者の心理。このままお蔵入りにしといていーのかな、とも思う。何よりこういった団体の圧力に対し正当な主張を貫くことが出来なかった円谷が何とも歯がゆい。実相寺監督は映像を通し、我々に伝えたいメッセージがもしかしたらあったのではないだろうか?
- 2002/09/01更新
- 2002/08/31登録
- 20616クリック
「ウルトラセブン第12話」を検索
このキーワードを共有する
-
メイン
コメント (14)
最新コメント5件
2002/09/01
fuji-yan. ご指摘通りです。今の今まで勘違いに気付きませんでした。べさん、ありがとうございます。指摘箇所は正しくはウルトラ警備隊。冒頭の一文は石井伊吉扮するフルハシ隊員でしたね。あいまいな記憶を頼りに許されない表記間違いでした。ここに訂正し、深くお詫び致しまする。。。
べ やっぱそうですよね。みんな言わないから,ワシだけ異次元のウルトラセブンを観ていたのかと思った(笑)。
2002/09/02
fuji-yan. 「蔑称にあたるんですね」と書いたニュアンスがあまりにも軽いので訂正したいなと思ってたんです。この場合は、そう解釈される場合もあるんだってことですね。「イヌイット」の件ははじめて知りました。情報ありがとうございます。
2002/09/03
NYANKO ふじやんさんの情報とほとんどおんなじですけど、asahi.comにこんな記事があるのでご紹介です。前にどなたかがご紹介なさってたような気もします; http://www.asahi.com/life/travel/...
2007/12/16
nami_happy <広島放送で再放送された際に、武田薬品のCMが入ったことから>というのはドコから聞かれた話でしょうか?武田は本放送でのスポンサーです。そのためにウルトラ警備隊は薬物兵器を持たないのです。その本放送を模したカタチにするため、裏ビデオに誰かがCMを編集して入れたバージョンが存在するワケです。
<アンヌ隊員の「実はドラキュラ・・・」>のくだりですが、ドラキュラバージョンはお持ちになっていないのですね。実際のセリフは「まるでドラキュラ」。しかもアマギのセリフですよ。
それと、<こういった団体の圧力に対し正当な主張を貫くことが出来なかった円谷>ですが、実際はTBS・秋田書店・小学館なども批判に晒されています。一制作会社がコレだけの媒体とともに動いているプロジェクトであるわけで、ただ円谷を責めるというのは幼い発想では?
- すべてのコメント »
つながりキーワード (7)
狙われた街
- (ニジ)
1967年にわたしは生まれていないので、それはリアルタイムで見たものではないということです。 特撮物をよく観るような家でもなかったので、多分テレビの特番か、再放送のチラ見...
封印作品の謎
- (なむ)
『ウルトラセブン12話・遊星より愛をこめて』『怪奇大作戦24話・狂気人間』『ノストラダムスの大予言』『ブラックジャック』他、諸事情により封印され、公に公開される事がなくな...
怪奇大作戦
- (orangebird)
一見、怪奇と思われる科学犯罪の真相を科学捜査研究所(SRI)が暴く、円谷プロの30分ドラマ「怪奇大作戦」。ウルトラマン他で有名な実相寺昭雄の大胆なカット割りが光る、間違い...
ノンマルトの使者
- (おが)
ウルトラセブンの第42話。 「海はノンマルトのものだ」と主張している少年「真市」。モロボシ・ダンは真市と話しをしているうちに、「地球には人類より以前にノンマルトと呼ばれ...
ウルトラシリーズロケ地探訪
- (スズキシゲオ)
初期のウルトラシリーズ(ウルトラQ、ウルトラマン、ウルトラセブン)のロケ地を紹介するウェブサイトです。 なによりこのサイトの凄い所が以下の2点。 (1)ロケ地の裏づけ情...
モロボシ・ダン
- (yoshibei2002)
昨日「う~ん、眠れない…。」とチャンネルをまわしていたら、時代劇がやっていたので「たまには時代劇でも観ながら寝よう。」と観ていました。「アレ!見た事あるで!セブン!いや、...
ULTRA SEVEN EVOLUTION
- ([spock])
● ウルトラセブンさま生誕35周年記念の新シリーズです。 ● ウルトラセブンは地球の先住民族を攻撃した罪を問われちゃうそうです。たいへんな時代になりましたなあ。 ● EP...





ウルトラシリーズロケ...
ウルトラセブン
ノンマルトの使者
封印作品の謎


