西日本新聞
千年書房 九州の100冊
「千年書房 九州の100冊」は、西日本新聞社が2006年1月から2年3か月間にわたって連載した力作シリーズ。村上龍『69』から五木寛之『青春の門 筑豊編』まで、小説51作品を中心に “九州の本” 100冊とリクエスト編3作を加えて完結した。
記事一覧には、そうそうたる作家の名が並ぶ。
かなり集中してルポルタージュを読んでいた20代のころ、九州には三部作と讃えられる名作ルポがあると教えられた。このシリーズでももちろんとり上げられている松下竜一『砦に拠る』、上野英信『追われゆく坑夫たち』、川原一之『口伝 亜砒焼き谷』である。
そこに描かれているのは原爆という未曾有(みぞう、ここでも一応ルビを・・・笑)の惨禍に遭い、この国の近代化を底辺で支えながらも突然うち捨てられ、石牟礼道子『苦海浄土』に描かれた水俣病へと連なる、九州の抵抗と絶望の記録である。
──と書くと、かなり重〜いシリーズのようだ(読み応えはある)が、萩尾望都『トーマの心臓』、梶原一騎『巨人の星』、松本零士『銀河鉄道999』、長谷川町子『サザエさん』と並べば、ちょっとのぞきたくなるだろうか・・・。(文中敬称略)
- 商品名: 追われゆく坑夫たち (岩波新書 青版 391)
- 価格: ¥819
- 著者: 上野 英信
- 出版社: 岩波書店
- 発売日: 1960-08
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- 2009/01/26登録
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コメント (4)
2009/01/29
秋津 リンクありがとうございます。“千年書房 九州の100冊”のリンクから飛んで読み込んでしまいました。なかなか興味深いですねえ。サザエさんが長谷川町子が博多の海のそばに住んでいて、それで海を散策しながら考えて描いたから海関係の名前が多いなんて、へーと思ってしまいました。同居人も九州出身で読書好きなので、このサイトは読ませてあげたいと思います。しかし、萩尾望都も子供の頃に住んでいた街の炭鉱闘争の雰囲気が耐えられなかったというのが“トーマの心臓”などの舞台がいきなりドイツ、とかそういうことになったというのも興味深かったです。
2009/01/30
四月の旅人 こららこそ、コメントありがとうございます。この名作のルーツは九州です──という特集ですね。いま国営放送が「私の1冊 日本の100冊」を放映中です。でも、西日本新聞社の企画のほうが、ずっと深いですね。そもそも、私は漫画はほぼ門外漢ですが、20代のころに身近にいた人間の影響でしばらく集中して手塚さんと萩尾さんくらいは読みました。・・・とすると『ポー...』の原点もここでしたか。個人的には『11人いる!』です。
秋津 “11人いる!”は登場人物に男だと思っていたら実は女だったという子がいましたよね、確か。私はそのことに妙に惹かれました。私はほぼリアルタイムでその辺を読んでいたので思春期だったこともあり、女である自分が嫌で男の子になりたいなんて思ってた部分もあり、そういう意味でもどっぷりと萩尾望都や大島弓子といったあの世代の作家たちの洗礼をもろにかぶっておりました。“私の1冊 日本の100冊”は色々な人が語り手となっているという事ぐらいしか知りませんが、ある意味、国の財産とも言える“声”で作品が“朗読される”ことに意義はあるのではないかと思いました。
四月の旅人 繊細で、こわれやすい──女性を形容するときに、こんなフレーズをまだ遣うことのあった時代(笑)の物語世界だったかもしれません。一方のNHKですが、活かせているかどうかは別に(バラエティ系などひどいものですから)、もともと民放では考えられないキャスティングができますし・・・納得。
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トーマの心臓
- (秋津)
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