ビートたけし
浅草キッド
1986年暮れ、ビートたけしは軍団とともにフライデー編集部を襲撃した。討入りなら14日と相場は決まっているが、メディアは真珠湾だったか。それでも、これにより “日本のレニー・ブルース” となる可能性を自ら捨て去ることとなった。
前後して、私は浅草フランス座を訪れる。たけしに遅れること15年・・・か。
昼下がりの六区は、休日のオフィス街のように閑散としていた。客の入りはロック座もひどかったが、フランス座にいたっては同行していた同僚と私を含めても両手に満たない。しかも、みな一様に舞台に全く関心を示していない。新聞を大きく広げて読み、弁当を食べ、酒を飲み、うたた寝する・・・どれも他でできるだろうに(笑)。
幕間に芸人が登場する。気の毒で、目が合わせられない。というより、ネタもひどくてこちらのほうが顔をそむけたかもしれない。それでも、ここから多くの芸人が育ったことを、当時20代のお子ちゃまはたけしから教えられていた。
神谷バーをのぞく。電気ブランに、チェイサーの生大と決めている。
亡父の法事で、叔父は父とともに当時は上野から浅草まで連なっていたらしい酒店を1軒ずつ、お通しとビール1本でどこまで行けるか勝負していた、と懐かしそうに話していた。その叔父も今はいない。
それから何年かたった仕事納めの日、これから実家の茨城に帰るという同僚とともに神谷バーにいた。まだ陽の高い時刻ながら、いつものように1階は常連と思しきオヤジさんたちが各テーブルにひとりずつ顔を真っ赤にしていて・・・ほぼ満席だ。
このころには、まとめてチケットを買うようになっていた。しばらくすると、帰りの電車があるからと同僚が席を立つ。ひとりになるとさすがに季節柄、連日の酒席つづきでそれほど飲めなくなる。
向かいではかなり年配の男性がお銚子をちびちびやりながら、きっと奥様から決められた量の酒代なのだろう小銭を勘定している。「これ、飲めないので、どうぞ使ってください」と席を立つ。師走の風が、顔に心地よかった。
86年の浅草はサンバカーニバルが始まって数年、国際劇場はビューホテルとなり、六区にROXがオープンして、何とか再生を試みていた時期だった。そんな街を取材せよとの上司の指示で訪れたのだが、この日のロケハンは神谷バーを最後に早々に終了(汗)。後日浅草観光連盟で、いまは浅草寺境内の新奥山の碑にその名が刻まれている方のお話をもとに仕上げたと記憶している。
同じ年、ビートたけしは「浅草キッド」という曲を発表している。東京の若手芸人がこぞって涙するという名曲である。それにしても、あのお年寄りのご家族は今日に限って、なぜこんなに酔っているんだろうと不思議に思わなかったろうか・・・。(文中敬称略)
・・・・・・・・・・・
写真は、ちょうど修学旅行で浅草寺を訪れていた女子高生ふたりに、モデルをお願いして撮影したもの。画像が粗いのは残念ながら、印刷物をスキャンしたものだからである。実際にはヨコ位置の写真だが、タイトルがかかっていたのでトリミングした。
広島からと言っていたか・・・どうか(汗)。彼女たちも今や、アラフォー世代である。(28 jan.2009 画像変更)
- 商品名: 浅草キッド
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- アーティスト: ビートたけし, TAKA, HIROKI,
- レーベル: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 1994-06-25
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- 2009/01/28更新
- 2009/01/28登録
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