てお・やんせん てん
テオ・ヤンセン展
2009年1月17日から4月12日まで日比谷パティオという会場にて、オランダ人アーティストのテオ・ヤンセンのアジア初の作品展示が行われています。敷地内特設会場に、オランダはイップンブルグのラボより運ばれてきた、プラスティックチューブから作り出された“砂浜生物”が展示されていました。そのうちの一体は直に触れて、動かせます。
彼の作品はどうやら、”浜辺””プラスティックチューブ””風”などの限られた素材から生まれた疑似生物を、パソコンの中で進化させて立体物として制作するというスタイルのようです。彼自身は生命を作り出す神の立場にあると仮定され、彼の手から作り出された“砂浜生物”は、生物としてはめずらしく人工的に進化させられている生き物なんだそうです。
彼曰く、プラスティックで作られていても、この生物は生きも死にも、生殖もするそうです。会場には彼らの進化過程と、化石のような“砂浜生物”の遺体?が並べられており、それなりに壮観でした。しかし会場がプレハブで、安っぽい展示即売会みたいなのが残念でした。映像で見るような、浜辺の巨大なスケール感はまるでないのでご注意を。実際に近くで“砂浜生物”を見てみると、特別なものは使っていないけれど、とても精巧に作ってあった。一番驚いたのが、この生物は適度に湿った浜辺でしか身動きがとれないので、ある進化段階の“砂浜生物”は、自分で足下の湿り具合を確かめて、いい場所を選んで歩くそうです。電気もモーターも使っていない生物だったと思うんですが、その機能には驚きました。ある意味、モーターをいっぱい積んだ二足歩行ロボットとは正反対のところですごい事をやっていると思います。
メカニカルな構造物ですが、ポエティックな思想に裏付けされていることを考えると、はやりテオさんはキネティック・スカルプターなのだなと思いました。だからこそ、このようなプレハブ会場ではなく、もっといい会場で、いい状態の上で(砂浜もあるような)、この生物たちを”生かして”あげられたらどんなに良かったのに、と思いました。あと、会場の壁に展示されていたテオさんの作と思われるドローイング。こちらも詩的でとても良かった。メカニカルなモノを作っている人が描く絵なの?と一瞬信じられないほどの柔らかい、叙情的な絵ですが、この絵からテオさんの本当に目指している根っこのようなものが見えたような気がしました。
- 2009/02/05登録
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