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永井恒@ぶどうの里ふれあいマラソン大会

47回目のラストスパート

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2007年9月、岡山・井原で開催された「ぶどうの里ふれあいマラソン大会」で、ひとりの市民ランナーがある偉業に挑戦していた。

B部門(20km男子45歳以上)に出場した永井恒さんは当時51歳。すでに46都道府県のマラソン大会で優勝を果たし、最後にこの岡山県が残っていた。しかし、注目された理由はこればかりではない。

「うれしいことに、ぼくは多くの大会で沿道からたくさんの声援をいただきます。でも、ぼくにはその声を聴くことはできません」。聴覚障害をもって、生まれてきた。

学生時代に陸上にとり組んだ永井さんが各地のマラソン大会に出場するようになったきっかけは、お子さんが重病にかかったことだった。「懸命に走る姿を子どもに見せて、生きるチカラをあたえる」。それでも、場内放送が聞こえずにコースを間違えたり、ホテルで宿泊を断られたりしたこともあったという。

この家族の絆を描いた感動のストーリーは、永井さんの地元・静岡放送が特別番組「それでもぼくは走り続ける~47回目のラストスパート~」としてまとめ、2008年の「地方の時代」映像祭で村木良彦賞を受賞している。ちなみに、この村木良彦さんとは国内初の独立系番組制作会社テレビマンユニオンの創始者だ(08年1月逝去)。あわせて、静岡新聞社から自著『それでもぼくは走り続ける』が刊行されている。

永井さんは残念ながら、井原の大会では3位だった。しかし、2か月後の「べいふぁーむ笠岡マラソン大会」で見事優勝し、“全国制覇” を達成した。

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