しけいしっこうにんのくのう
死刑執行人の苦悩
死刑制度についてどうのこうの言うつもりはない。親族を殺されたら犯人を憎むという気持ちは十分に理解できる。人が作った法律が完璧であるわけもないし、国家が死刑という名の元に殺人をすることが良いことだとも思わない。
心情的には死刑には反対なんだけど、制度として運用されていて、それが犯罪の抑止力になっているのだとしたら、それも理解できなくはないと思っている。
で、この本。
死刑の判決が言い渡された後、死刑が確定した人間はどうなるのか?もちろん、全員が人間性を取り戻すわけではない。ただ、毎日彼らを見つめる刑務官が彼らと交わす言葉から、刑務官もいろいろなことを考える。
法務大臣により死刑の執行を命じた場合、刑事訴訟法第476条により5日以内に刑を執行しなければならない。執行という名の下に、首にロープをかけ、レバーを引く刑務官と、ゼロ番区と呼ばれる舎房でその日を待つ死刑囚。
「死刑」についてのルポを多く手掛けている大塚公子さんが、元刑務官などに対し徹底した取材を行い、死刑制度の是非を問うドキュメント。読後感には「爽やか」などという言葉は一切待っていないので覚悟して読んで下さい。
このキーワードを共有する
-
メイン
コメント (8)
最新コメント5件
2002/02/10
Go涼 ただねぇ、この世の中では可能性を見出してもらいたくないというタイプの犯罪者もいるわけで。他人の可能性を奪ったものは死をもって償うというのは自然だと思う。女子高生コンクリート詰め殺人とか。
NUE いや、だから死なせちゃうと「可能性を奪われる」ということがいかに苦痛で残酷なことだかわからなくなっちゃうでしょ? それをわかっていただくためには死刑にしないほうがいい……という非常に残酷な考えで「死刑にしないほうがいい」と言ってるのです。
Go涼 わかる理解力があるかどうか、ですけど。終身刑を作るべき、という議論なら賛成です。無期懲役と死刑の間が開きすぎているのが問題なんだと思います。
NUE いや、別にわかっていただく必要はないのです。死ぬまで「なんでこんな目に遭わなくちゃ」と思ったまま生きていていただいても一向にかまいません。で、無期懲役は実質的には無期ではないので、これをほんとに無期にしてしまうのならそれでもいいんですけどね。
Go涼 あとはアメリカみたいに刑の合算が寿命を超えるような形が許されるようにするとか。判決が求刑よりかならず割り引かれる傾向も何とかならんかと思う。新潟の事件なんて求刑通りでも少ないのになぜか1年割り引いているし。
- すべてのコメント »
つながりキーワード (13)
死刑囚の記録 (中公新書 (565))
- (ネコまいける)
『こんなときどうする? ―― 臨床のなかの問い』 徳永進・著の中に、 「『死刑囚の記録』再読」 という章がある。 末期を迎えた患者の心理と死刑囚の心理を考えるのがテー...
弟を殺した彼と、僕。
- (サトー君)
死刑に対する考え方が、いかに安直で何も考えていなかったか思い知らされる本。 第三者が、いかに被害者と加害者の間に「割り込んで」くるのか。 そして、第三者が一般論という虚...
デッドマン・ウォーキング
- (ブラット親爺)
おっちゃんは無償の行為にぐっと来る方だが、この映画の尼僧の行為はぐっと来るどころか、ガツンとどやされた。アメリカの裁判制度および死刑囚への対応が、実際にこの映画のようであ...
足音が近づく
- (タカタカ)
実在の死刑囚が獄中結婚した女性に出した点訳本の中にしのばせた手紙をまとめたもの。検閲されていないので、普通は表に出ないような刑務所の中の出来事が描かれている。 足音が近づ...
テキサス州犯罪司法局[Final Meal Requests]
- (ohsamu)
テキサス州犯罪司法局サイト内の,死刑囚最期の食事希望一覧。 テキサス州は米国の中でも死刑執行が突出して多い州らしく,犯罪司法局のサイト内には統計や死刑囚のファイルなど各...
同じ月を見ている
- (やさぐれ)
土田世紀の漫画は全部いいけど、矢張りコレが一押し(俺節もいいんだけど)。ストーリーについては触れません、 人それぞれの読み方があると思いますが、私はこの作品から死刑制度反...
「おまえが殺ったと誰もが言う」
- (べ)
1996年,MWA (アメリカ探偵作家クラブ) の最優秀犯罪実話賞を獲得した本。事実の重みと現実の曖昧さに圧倒される。数年前の松本サリン事件について,あれがオウムの...
敵討ちなのか否か
- ([spock])
● 『犯人の極刑を望んだ夫の願いは届かず』 ● 死刑が殺人だとしたら、この夫の願いはとんでもない願いであるということになるし、死刑が単なる『最も重い刑罰』だとしたら、この夫の願いは至極当然の...
『心臓を貫かれて』
- (bibibi)
10年ほど死刑が執行されていなかったユタ州で 死刑になったゲーリー・ギルモアの人生について 音楽ライターである弟、マイケル・ギルモアによって 書かれた本。 何度も何度も...
寄生獣
- (sumim)
ある日、地球(というか舞台である日本)に降り注いだ知的寄生生物の幼生。主に哺乳類の体内に進入して肩から上を自らと置き換え全身を支配する。未寄生の同種生物を捕食し生きながら...
ブラック・ジャック
- (sumim)
ご存じ、手塚治虫氏による天才外科医(だだしワケあって無免許)の活躍を描いた作品。別の畑の研究者から見ても「おや?」と思うことが多いので本当の医者が見たらとんでもない描写が...
人間臨終図鑑 I ~ III
- (sumim)
NTV系「知ってるつもり!?」で取り上げられたので揃えてみました。本当に 900人強の人の死が手短にまとめられていてびっくり。15 歳の八百屋お七から、121 歳の泉重千...
『ジョー・ブラックをよろしく』
- (sumim)
1998米、ユニバーサル。評論家がこぞって「まあ、よい作品」と前置きしながらも本編3時間に「無駄に長すぎる」と酷評。どうやら2時間を超えるとよほどの理由がないかぎり駄作扱...






「おまえが殺ったと誰...
『心臓を貫かれて』
足音が近づく
テキサス州犯罪司法局...


