ホンジンサツジンジケン
本陣殺人事件
横溝正史の小説。金田一耕助はこの小説で初めて登場しました。
生誕100年に当て込んで、角川が今回、文庫本カバーの装丁を変えて売ってます。昔の黒ぉーくて緑ぃーくて怖い絵の描いてあるのよりずいぶん印象が良かったのと、帯の綾辻行人の煽りと、日本のオールタイム本格ベストを選べばだいたいベスト10(5?)に入るという前知識で、購入。
これは傑作です。傑作、かつ、歴史的な一冊。
最初、かなり眠いですが、ちゃんと、本格ミステリになってます。伏線や整合性を考えて読んでいく価値があります。
けっして、おどろおどろしい昭和のムラで猟奇殺人が起こるだけの小説ではなく(そう思ってました)、土俗性と本格のロジックが融合したところが横溝作品の妙味なんですね。
初めて知りました。
ごーめーんーなーさーいー、と大声で謝りたい気分。
本作が、「傑作」以上の価値を持つように思われるのは、その「ミステリ」に対する意識の高さです。(以下微妙にネタバレ)
本作ははじめに、「この小説はこれまである密室殺人ミステリのリミックスである」ということを、宣言しています。つまり、ある程度読者が「ミステリ読者である」ことが、前提になっています。
作中で首謀者が行った犯罪は、非常にシンプルな動機に基づいたものだったのですが、そこに「ミステリマニア」が登場し、事件に介入することで、見立てが膨れあがり、トリックは自己目的化し、犯罪はいつしか謎に奉仕する道具になってしまいます。
端的に言うと、ミステリマニアが勝手に話をわけわからないことにしてしまう、という、ミステリです。
冒頭の宣言で暗示されているように、ここでの「ミステリマニア」とは、作中人物を含む、「読者」をも指しているのでしょう。
*
他の趣味でもそうだと思うのですが、ミステリ趣味は「始めが一番おもしろく、読者のトリックのストックが増えてくるに従って、だんだん飽き始める」などと、言われています。
しかし実はそうではないのかも知れない。
読者の知識が豊かになることは、必ずしもネタの枯渇につながるものではなく、読者が自分の謎を紡ぐ可能性へと、つながるものなのかも、知れません。
*
「謎は君の中にある」。
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ミステリの通史に明るいわけではないのですが、本作は「読者によるミステリ」が誕生した記念碑的作品、ということになるのでしょうか。そう考えると、新本格の作家の方々が横溝を敬愛するのもなんとなくわかります。
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映画は、中尾彬が金田一耕助役。
ジーンズ姿、ヒッピー風…観、観たい(笑)
http://www.nihon-eiga.com/prog/...
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コメント (3)
2002/09/08
zeke 横溝正史のは小学校5,6年のころ自分で買ったり、友達の親が持っていたのを借りたりしてほとんど読みました。黒くて無気味な絵の表紙が結構印象に残るシリーズでしたね。古谷一行のTVシリーズは見てました。女性の裸のシーンがかなりあったような。親がそばにいる時はかなり気まずい空気が流れてましたな.
未有音 ああ、ありましたね。あのイメージでエグい印象があるのだろうか。時計塔から首を出したら針で首挟まれて死にそうになる描写とか、テレビシリーズだったのかな? 子供心に戦慄してました(笑)
お〜ぐろ 古谷一行のTVシリーズ見てました. 結構ダークな感じでしたよね. 石坂浩二の映画版を後から見たら割とあっけらかんとしたイメェヂなんで違和感が・・・
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