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メタリカ / [メタリカ]

METALLICA / [Metallica]

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91年作品。スラッシュ・メタルを世界に認知させたメタリカは自らそのスピードを殺した。だが、そのことによって重厚なグルーヴとシンプルでオリエンテッドなフレーズの中に恍惚とさせる新たなエモーションを感じ取らせ、メタルの新たな次元へわれわれを到達させたのだ。この作品は全世界で1500万枚の売上を獲得。へヴィー・メタル・バンドとしては初のグラミー賞を受賞し、メタリカの衝撃は世界を駆け抜けた。

メタリカは81年、ジェイムス・ヘッドフィールド(vo&g)と
ラ-ズ・ウルリッヒ(ds)を中心に結成(初期のメンバーにはあのデイヴ・ムステインもいた)され、ラーズはイギリスのNWOBHMに触発。83年にパンクの攻撃性と英国メタルの構成力を兼ね備えたアルバム『キル・エム・オール』でデビューを果たした。そして86年には、傑作『マスター・オブ・パペッツ(邦題:メタル・マスター)』をリリースし、スラッシュ・メタルでの地位を不動のものとした。そのツアー中にメンバーのクリフ・バートン(b)が事故死するという突然の悲劇に襲われているが、ニュー・ベーシストにジェイソン・ニューステッドを迎え、バンドは危機を乗り越え、結束を固めていく。

前作『…アンド・ジャスティス・フォー・オール(邦題:メタルジャスティス)』では大作主義に走ったメタリカだったが、完全にこれまでの集大成であり異色作となったのはこの5作目にあたる『メタリカ』だろう。プロデューサにはあのボブ・ロックが名を挙げ、生命を宿ったかのような躍動感と生命力に満ちたサウンド・プロダクトとなっている。モトリーの『ドクター・フィールグッド』もそうだが、ボブのこのあたりの音作りは非常に大胆で感受性がある。ラーズはその音作りにグルーヴとアートを感じ、ニューアルバムの方法論を答えへと導き出したようだ。

さて、出来上がった『メタリカ』だが、静かなソングがひときわ目立つ。中でも”The Unforgiven"(#04)の重なり合うコーラス、”Nothing Else Matters"(#08)の搾り出すヴォーカルには驚かされる。つまりジェイムスは完全にヴォーカリストとしても大成しているということなのだ。他”Through The never"(#07)はこのアルバムでは珍しいスラッシュ・ソングだが、カークのフレーズの載せ方は華麗だ。その全編にわたる確かめるようにリズムを刻むラーズの姿には、このころのスピード重視の他のメタルを圧倒する重さがある。かいつまんだが、『メタリカ』のテンションははっきりと聴き手の5感を直接刺激する魔力のようなものが備わっているかのように素晴らしいわけだ。

このアルバムが出たため、80年型メタルは衰退化を遂げ、あらたにオルタナティヴやへヴィネスなグルーヴを中心とするバンドがあまた登場したといっても過言ではないだろう。今にして思えばこの作品は2つの年代のターニング・ポイントであり、どちらにも含まれない奇妙なポジションを得ているように思う。だが、一つ言えるのはここでメタリカはこのサウンドをこのアルバムで完結してしまったということで、この後この方向性を繰り返すことは不可能であったということだ。音楽的好奇心がこの後高まった作品が続くが、『メタリカ』の踏襲をやらざるを得なかったことには少し残念な思いがする。

それでもメタリカの次の作品は一体?という思いは僕の中にはいつも存在するのだ。つまりはそれだけの魅力あるアーティストであることにかわりは無い!ってことで、早く新作でないかなあ、と難波のCD屋をうろつく僕が今日も存在している。

METALLICA / [Metallica]

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詳細情報
  • 価格: 2233円
  • メーカー: ソニー・レコード
  • 年(代): 1991年
  • 団体名: メタリカ
  • 2002/09/11更新
  • 2002/09/10登録
  • 2461クリック

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コメント (5)

2002/09/11

までろん キーワードの最後の部分、よく判ります。時代と背景の変化と共に、進化してきたのがメタリカであり、その楽曲のクオリティーは常に高いのですが、メタリカらしさ(初期の頃の)を期待してしまう。これは他のアーティストにも言える事なんですが、どうしても以前のイメージを期待してしまい、私の場合、プリンスがいい例でした・・・。中には、毎回、同じ音を平気で新作としてリリースするアーティストもいる訳で、その点メタリカは常に進化するバンドとして、十分評価できると思います。

less そうなんですよね。アーティストが変化を続けることに対する受容と拒否の反応。これが偉大なミュージシャンには常に付きまとっちゃいます。僕もプリンスに関して…ありますね、確かに。メタリカはアコースティックをやったり、ブルースの要素を取り入れたり、近作ではメタルというよりもっと広義な位置で語られる存在になっていると思いますが、『ロード』も『リロード』もビルボードのNo1をきっちり取っているのは、素晴らしいことだと思います。ただ、マスターマスター♪と叫んだ僕がそこには存在できないのも悲しい話なんですが(笑い)

kaani 一時期の思い入れが強いためにあとあれ?という違和感がついてまわってしまう…というのはファンの勝手なのでしょうね。←自分のこと。彼等が存在するがゆえに、ヘヴィサウンドバンドやその音楽そのものが大きく転換した部分は今でもでかいことだったと思っています。当時見えなかったことも今ならまた違う角度で見ることもできますね。

less そうですね、へヴィロックの変貌を今から思えばこのアルバムで体感しているわけですから。レッチリやフェイス・ノー・モアなどからミクスチャーが広がったのも、今から見るとまた面白い現象に見えますし。

kaani それと、フォロワーもたくさんでましたが、Metallicaを超えたと言えるバンドが存在しないというのも、凄いことだなといまさらながらに思います。

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