クロダキヨテル の ふらんすリュウガク
特集陳列「黒田清輝のフランス留学」
明治維新の直後に生まれた法律家志望の青年が17歳でフランスに渡航し、留学先のパリで画才を見出され、画家となる。日本の洋画の入り口に佇む、大きな画家、黒田清輝は、フランスで誕生し、成長した、のだそうだ。その彼の作品を、フランス留学の時代を中心に、その師ラファエル・コランや、当時パリに在住して黒田に絵画への道を教えた画家山本芳翠(やまもとほうすい)、藤雅三(ふじがぞう)たちの作品と共に集めた特集陳列を見た。通常展で、東京国立博物館本館一階第18室で4月12日まで。阿修羅展と一緒に見るのもありか。
黒田がフランスの留学中にサロンに初めて出品した「読書」をはじめ、「婦人像(厨房)」が並んで架けられている。「容貌よいモデル」が得られた、ということもパリからの手紙に見えるが、この2作品のモデルの見目が良い。誰かににているな、と思ったら女優のメリル・ストリープにちょっと似ている。俯き加減に外光の中に横顔が浮かぶ。この2点のほか、「編み物する女」も同じモデル。
一方で、日本人の女性をモデルに、西洋女性のプロポーションを借り、背景をゴールドで塗り込めた重文「智・感・情」が「読書」の反対側の一面を飾っている。3人の女性が3幅の空間に納められている。その3人の表情、ポーズが何を表現しているのか、いろいろと議論があるようではある。ちょっとそそられる様な愁い顔や、無表情に見える東洋風の顔……ちょっと仏像で仏様が結ぶ印が示す形にも思えた。
出品されている作品の多くは、東京国立博物館の黒田記念館と東京芸大の所蔵品だが、黒田記念館というのが、一度見て見たいと思いながら毎週木曜と土曜日の午後だけという制約もあって、なかなか果たせない中で、楽しい展観ではあった。
- 2009/03/08更新
- 2009/03/08登録
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