かつかれーもんだい
カツカレー問題
世の中にはカツカレー問題というものがある。扱い方ひとつで,いずれニッポンを二分しての大戦争に発展するかもしれぬ大問題ゆえ,天下の文藝春秋社の「日本の論点」でもタブーとされている(つまり載ってない)。ここに私は命の危険も顧みず,この問題の存在を広く知らしめることにした。願わくば,我が屍を乗り越えて,これに関する暗闘が明るく楽しい論争に昇華されんことを。
まずは「カツカレー」という食品を定義せねばなるまい。もともとは「カツライス」および「カレーライス」という2つの洋食屋のメニューが融合したものである。「その店で供されるカレーライスの皿と同じかまたは若干広めの皿」に,「その店で概ね1人前とみなされる量の御飯」を盛り付け,「その上にトンカツおよびカレーのルーが添付されている」料理というのが一般的な形態であろう。
さてカツカレー問題とは,「御飯の上にカレーをかけてからカツを乗せるのか,それともカツを乗せてからカレーをかけるのか」という,手順,手続きの正統性に関する論争なのである。たかがそんなこと,と馬鹿にしてはいけない。ちょっとした手順前後が結果に大きく影響することは多いのである。
まず,「カレー先派」の意見はこうである。
「カツカレーはもともと『カツライス』も『カレーライス』も食べたいが2人前は多すぎる,ということから産まれた折衷メニューなのです。そうである以上,『カツライス』としても『カレーライス』として楽しめなければならないはずでしょう。トンカツとはすなわちトンカツソースをかけ,芥子をつけて食うものであり,カレーソースで食うものではありません。従って,御飯の上でカツとカレーはできるだけ独立して存在しているべきであり,カツの上にカレーがかかるなどというのは言語道断,★そも★そも一緒の暴挙というべきです。汚い言葉を使ってすいませんが」
次に「カツ先派」。
「カレーというのは元祖のインドでは『汁気の多い料理』って意味なんです。つまり日本で言えば味噌汁のぶっかけ飯ですわ。ああいう料理のおいしさってのは,いろいろな材料が食器の中でごちゃまぜになり,渾然一体となったカオスの中から立ち上るもんなんです。納豆飯とか,韓国のビビンバとかもそうでしょ。まぜて食うもんなんだから,カツにもしっかりカレーがかかっているべきですよ。そりゃ,人によっては下品だみたいなコトを言うかも知れませんがね,もともとカツカレーなんて大衆食堂で産まれたメニューでっせ,なぁに気取ってんだ,てなもんですわ」
写真はカツ先派の,いがやスキー場のレストラン「シヨン」のカツカレー。関連リンクも。
- 2003/02/18更新
- 2001/12/04登録
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