モノ オモウ トリ タチ
もの思う鳥たち 鳥類の知られざる人間性
著者はアメリカの心理学者。
彼が晩年の6年間をかけて、認知比較行動学の見地から、鳥の調査研究を重ね、その成果をまとめたものです。
鳥類に限らず、自然界の動物がびっくりするほど人間と同じ様に考え、試行錯誤しながら日々の生活を営んでいるという認識は、テレビの動物番組などでもよく紹介されているので、広く認知された考えであると思っていました。
しかし、昔から今に至るまで科学者の世界では、人間以外の動物が人間のような行動をするというような考えは”擬人化するなかれ”と、タブー視されてきたという事実を本書を読んで知りました。
著者は、既に科学的に証明されている、ミツバチが尻振りダンスによって新しい巣の場所について仲間同士で会議をする例のほか、蟻が巣の中でキノコ栽培やアブラムシの飼育をしている例、手話を使って人間とコミュニケーションを取るゴリラの例など、他の動物の既存の研究結果も提示しながら、動物たちは人間と同様に、いや、能力の分野によっては人間以上に知的な生命体であると訴えます。
そして、人間だけが知的な存在であると、奢り高ぶる気持ちが自然破壊などの問題行動に走らせる原因ではないかと問います。
人間たちが、動物に対して”本能からくる機械的な動き”しか認めてこなかったところに、”意図をもつ知的意識”を見出すようになるという事は、人類にとって革命的な意味があると最終章で論じます。
人間も、地球上の生きとし生けるものも、同じように優れて有能な存在であり、彼らの行動が人間と同様に、畏敬の念に打たれるほど感動的なものだと考えるようになれば、人間は破壊へいたる道を引き返すことが出来るはずだと。
***
著者のセオドア・ゼノフォン バーバー 氏は、2005年9月に78歳で亡くなりました。
原書は1993年にアメリカで出版されたものです。
この本の最後に記されたメッセージは、あたたかくも力強く、この世に生きる私達後輩への遺言だと感じました。
===以下本文引用===
地上の人間たちよ、目を覚ますことだ。
目を開き、まわりを見渡し、
自らの隣人である鳥たちの一生の、
展開の速さにきづくことだ。
鳥たちは、
人間と同じように楽しみ、遊び、
働き、親となり、住む家を造り、
歌い、他者と交わり、異性を愛し、
傷つき、感情を持ち、不安を抱き、
意思を伝え、計画を立てる。
身近にいる個々の動物にもっと近づいて、
その努力や感情や経験を直視することだ。
目を覚まして、
地球上の他の生きものたちも、
自分たちと同じように、
驚くべき自覚と完全な意識をもち、
同じように特殊化していることに気づくのだ。
今後は、自らの特殊化した知能を使って、
自らの破壊的な習慣を変え、
自分たちを含めた地球の動植物を、
これ以上の破壊から救い出し、
心の底から湧き上がる喜びのうちに、
調和した生活を送ろうではないか。
- 商品名: もの思う鳥たち―鳥類の知られざる人間性 (いのちと環境ライブラリー)
- 価格: ¥2,000
- 著者: セオドア・ゼノフォン バーバー
- 出版社: 日本教文社
- 発売日: 2008-06
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- 2009/03/28更新
- 2009/03/28登録
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