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この世の中に役に立たない人はいない

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この世の中に役に立たない人はいない―信頼の地域通貨 タイムダラーの挑戦 コ・プロダクションのすすめ
エドガー・カーン 著 ヘロン久保田雅子・茂木愛一郎 訳
2002年の本です

1980年3月 45才の誕生日を迎える前に
著者は病に倒れました 重症の心臓発作・・・
何の選択の余地もありませんでした すべての夢を諦めざるを得ませんでした

しかし「私は自分を無益な人間と思うのがいやだったのです」

現実は 他人の助けを借りて生きている依存状態・・・
その時 世の中には 自分と同じように「無益」の烙印を押されている人々が
たくさんいることに気づきます

「生まれてはじめて抱いた 自己の無益さは 堪え難いものでした」
「私に何ができるのだろう 何もできないのでは」

そして役に立たない人間のいない世の中をつくるための戦いが始まりました

NO MORE THROW-AWAY PEOPLE

その当時 社会福祉に費やされる予算は底をついていました
誰かが食い物にしているのか?
どこかへ出ていってしまうお金の流れ・・・

その打開策はないか?
やがて 「既存のお金が使えないのであれば
それに代わる”お金”を想像できないだろうか?」というアイディアが

「誰かを助ける1時間を1クレジットとみなす=タイムダラー」
を生み出しました

タイムダラーのプログラムは 果たして
どうなっていったのでしょうか?
この思いつきは確かにうまくいったのですが 
様々な間違いや問題点もありました

本当に必要であれば それは有効需要となる
これは確かなことだったのですが・・・

「本物の通貨にはできないが タイムダラーにはできることは何か?」
その明確な答えを得るまでには その後20年近くを要することとなりました

多くの実践の中で得られた 答えのひとつは
「労働の対価以上のもの=精神的な報酬も得られること」←2つのレベルの報酬
タイムダラーはボランティアよりも モチベーションにつながり 有利でした

そしてもうひとつの答えは
「政府が予算不足で解決できない問題の手助け」
それが実際に可能な方法であることが 徐々に確かめられたのでした

かくして 1987〜1990年の間 ロバート・ウッド・ジョンソン財団から
合計120万ドルの助成金を得て 全米6ヶ所でテストが行われました
それは助成金の何倍もの経済効果を生むことが確かめられ・・・

タイムダラーの交換 高齢者同士の相互互助サービス
新しいソーシャル・コミュニティの成長・・・
その時間のやり取りは すべて記録されました

・マイアミでは3年間に10万時間を超えるサービスの交換が行われました

「サービスクレジット・プログラム」
それは単なる 地域通貨交換プログラムの実験では
終わりませんでした

お互いに助け合うことで起こった 素晴らしい想い出や
役に立つことのうれしさ 多くの幸せに満ちた
ストーリーを生み出しました

ある老婦人が涙を浮かべながら タイムダラーのヘルパーに
「私はあなたが大好きよ」と告げると ヘルパーは
「単なるボランティアではなく 友人でありたいのです」
と答えたそうです

・どんなサービスでも 1時間=1タイムダラー(1点)
・メンバーは必要なサービスを 自身の点数で購入する
・ついでのお使いも気軽に頼みやすい

一方的なボランティアやチャリティー(施し)とは異なる
コミュニケーション 

そして本当に助かるということの気持ちよさ
お互いが役に立つよろこび
新しい平等感 気兼ねのなさ 社会正義・・・

本当のお金では 得られない何かが
タイムダラーが生んだネットワークにはあったのでした

そして「コ・プロダクション」へ


・・・様々な不幸で 無力感を味わってる方へ
・・・30代・40代・50代で まだ元気なのにリストラされた方へ
・・・既にリタイアし 第2・第3の人生の方へ

「この世の中に役に立たない人はいないのです」


オーストリア ヴェルグルの実験
アメリカ イサカアワー
スイス ヴィア銀行 交換リング
アルゼンチンRGT 交換リング
千葉 ピーナッツ 交換リング
滋賀草津 おうみ 交換リング
レインボーリング
エコマネー
スウェーデン JAK銀行

この本の後半では タイムダラーを介した
コ・プロダクション(協働)を実際に行なって得られた
様々なドラマと 当初の予想を超えた効果・可能性について
とても丁寧に語られているのですが

はっきりと「社会正義」について書かれています

大きな政府が主導してやることの バカらしさ
(方法としての誤り)についても
ものすごくページをさいて書かれています

これは単なる弱者救済・地域活性化の方策ではないのだと

「この世の中に役に立たない人はいない」はずなのに
市場経済では無価値とされた人々
多くの女性たちの無償の家事労働・介護

市場経済の原則は 生活そのものを
バラバラにバラバラにしていく

そんなのおかしいじゃないかと

いわゆるお金(マネー)の持っている明白な欠陥を補完する
人と人をつなぎ直してくれる タイムダラーの発明!


現在のお金と市場経済オンリーの考え方には
そもそも欠陥があること
市場経済は 図々しくも 非市場経済を前提にして成立していること

守るべきものは何か?

人間が作りだした「お金」「経済」「国民の義務」なるもの
について 強く再考を促してくれる スゴイ本でした

世界の各地で 失業者があふれて お金に困って
そしてタイムダラーが試されたっていうことも 意外でした
(意外にスケール大きかったんだなって・・・)

補完通貨〜ポイントサービス〜地域活性化・エコ
って発想だけでは きっと全然ダメでしょうね。。。

より有利で便利でお得なサービスに埋もれちゃうから
みんな どっちが便利でお得かしか考えないから
(お遊びじゃダメ)

逆に「生活防衛」を声高に訴え「要求」するのも違う


そうではなく まず 市場経済(利潤追求の場)と
非市場経済(生活の場)をくっきりと分けて
考えることが必要のようです

物事のすべてを「儲かるかどうか」だけで
考えることの誤りを
どれだけ多くの人が 自分の常識を破壊して
認識できるか?
生まれた時からの長い長い洗脳状態から
目覚められるか?

直接的・間接的に
お互いが お互いの大切な時間のすべてを思いやる
お互いが お互いの役に立てることのすべてを考える
タイムダラーがある世界のイメージ

市場経済が換金してくれない 誰かの仕事も
タイムダラーとなって 非市場経済を循環していく
それが地域に いつものお金も呼ぶ・・・

本来そうあるべき社会のカタチ・・・

タイムダラーの多くの成功例には
いつも 思いやりと笑顔と
自信や誇らしげな気持ちがあふれていて・・・

理想とか社会正義とかって 当たり前のことを
取り戻すことなんだなって 改めて感じました

今の世の中は 間違っていますよね?

毎日毎日 お金儲けだけのために
家族がバラバラになって
わざわざ格差社会に出かけていって
働き続けることだけが
本当に本当に 当たり前で素晴らしいことですか?
放り出されたら おしまいって
おかしくないですか?


お金とポイントとタイムダラー
それが全部ある社会のほうが
自然で当たり前で しっくりくるのかも?


欠陥だらけのお金なんかには換えられない無償の労働に
タイムダラーで価値を与えて お互いに交換する社会
それが どれだけ多くのことを解決できる
可能性に満ちていることか!

お金と経済・社会システムを 根源から問うことが
必要なのだと しみじみ思いました

資本主義的な 欲望の再生産だけが
人間社会の活力を生むわけじゃなかったことを
この本に教えてもらえて良かったです













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LittleLoro画像 投稿者:
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  • 著者: エドガー S.カーン, ヘロン 久保田雅子, 茂木 愛一郎,
  • 出版社: 創風社出版
  • 発売日: 2002-10
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  • 2009/05/24更新
  • 2009/04/05登録
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