ザ・ブック・オブ・ウォーターマークス
THE BOOK OF WATERMARKS
乗っていた船が難破し、男は小島に流れ着いた。島には驚くべきことにネオ・クラシシズム風の図書館、ルネサンス式のヴィラと庭園、ゴシック風の大聖堂が立ち並んでいる。島の主プロスペローは男に失われた12冊の魔法の書を探し出すように頼んだ。男の名はファーディナンド、ナポリの王子である。
いうまでもなく、W・シェイクスピアの「テンペスト(あらし)」を題材としたゲームである。美しいCGで作り上げられたプロスペローの島を映し出す冒頭のムーヴィーから、物語の世界に引きこまれてしまう。バックに流れるアイリッシュ・ミュージック。歌い手はモイヤ・ブレナン。クラナドというバンドのメンバーで、エンヤの姉にあたる。
ゲーム画面もムーヴィーと変わらないクオリティが保たれている。はじめに主人公はクォードラングルという四方を円柱の回廊で囲まれた庭園にいる。移動は一歩ずつ歩くのではなく、上ボタンを押すと勝手に進み、左右を向いたり、曲ったり出きる地点で止まる。操作は楽だが、移動中の画面をスキップすることができないので行ったり来たりしているとちょっとうんざりしてしまう。曲がる時に読み込みもあるので、少しストレスを感じる。
ゲーム中にはメッセージの類は表示されない。主人公以外の人間が登場しないからだ(プロスペローはムーヴィー部分のみに出演、英語で字幕表示)。ゲームの目的である魔法書の発見にはある特定の条件を満たす必要がある。例えばあるアイテムをある場所にはめ込むなど。すると、ムーヴィーがはじまり、その書物の内容について語られる。第一の書は航海術。本が開き、古典文献から取ったとおぼしき図版がCG処理によって立体的に描き出される。かなり前になるが、片岡孝夫が出演していたNTTデータのCMを覚えている方は、あのようなものだと思っていただいて構わないだろう。第二の書は建築家であり、バベルの塔の建築で使われていたが、紛失し建築が中断したという。第三の書は幾何学原論。第四の書はラビリンス、ダイダロスが所有していた。…という感じで、映像にしろそこで語られる内容にしろなかなか凝っている。
各書を見つけるための条件がかなり簡単なので、数時間で終了してしまうのが残念だが、時間がかかればいいというものでもない。ただ、やはりちょっと物足りないという気はする。「MYST」や「RIVEN」に似ているという感想がネット上でいくつか見られた。この2作と比べると難易度は相当低いようである。
不満がないわけではないが、このようなゲームが現在の日本で作られたということをまずは評価したい(先に挙げた2作はたしか海外のものだったと思う)。この卓越したセンスがゲームの内容面にもうまく作用すればさらに面白いものになるだろう。次回作が気になるところである。
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コメント (2)
2002/09/18
芹沢文書 画像のクオリティは高いのですが、謎がねぇ......MYSTの手応えを期待していたので拍子抜けでした。
Refrecta a.k.a. OJ 2枚目のディスク冒頭のCGと、最後の島の長いぐるぐる通路が好きです。「かけ足」ができないのがやはりつらい。
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