ルキリウス
ルキリウス
セネカ著 『ルキリウスへの手紙』
塚谷肇氏の訳本『ルキリウスへの手紙/モラル通信』が手元にあるのだが、中野孝次の解説と抄訳を読んでみたいと思うのは、ボクだけだろうか。
中野氏が、癌の告知を受けた際の心境を『ガン日記』で次のように語っている。
「わたしは一瞬打ちのめされたようなショックを受けたが、その知らせを比較的平静に聞き、応答することができたのは、まったくセネカのおかげであった。」
「セネカの教えに一年近く日々親しんでいたため、わが身がガンだと聞いたそのときも動転せず客観的に受け入れることができたのであった。」
中野氏は、このセネカの著作について、『ローマの哲人 セネカの言葉』、『セネカ 現代人への手紙』で解説しているが、後者については、現在入手困難である。
---
φ(..)更新メモメモ
2009年11月16日 書籍『セネカ 現代人への手紙』(表紙)のイメージ画像追加
2009年12月27日 中古本にて入手した『セネカ 現代人への手紙』を読み終えた。
やはり、中野氏の翻訳で読んで好かったと再認識できた。
それは、著者自身が本書のあとがきで記しているとおり、2004年02月07日に「ルキリウスへの手紙」の決定稿四百枚余を書きおえた直後に、がん告知を受ける。
その後、同年05月27日に本書が出版され、07月16日に逝去される。
すなわち、本作が、中野氏の遺作ともいえる作品なのだ。
セネカが「ルキリウス」という名を借りて、後世の「現代人」に残した「箴言(しんげん)」を、今、中野氏の言葉(翻訳と解説)で読むことができたのは幸いであった。
ただ、このような心に残る本が入手しづらいことは悲しい。
最後に、ボクのお気に入りとなった「手紙」の一説を引いておこう。
「なぜ誰も自分の誤ちを告白しないのか?
それは、彼がまだその誤ちの中にとらわれているからだ。
夢の話をすることができるのは、夢から醒めた者だけだ。
自分の誤ちを告白したのは、心が健康になったしるしだ。」
このキーワードを共有する
-
つながり(11)
つながりキーワード (11)
NPO法人「がん哲学外来」
- (ネコまいける)
医療の現場において、「臨床医学」と「病理学」が双璧をなすことはよく知られている。 目の前で苦しんでいる患者を直接診療する「臨床」と、苦しんでいる病気の根本原因を診断する...
がん哲学外来の話 -- 殺到した患者と家族が笑顔を取り戻す
- (ネコまいける)
著者の樋野 興夫(医学博士/順天堂大学医学部病理・腫瘍学教授)氏が、2008年01~03月の間、順天堂医院で試行的に開設した『がん哲学外来』。 その意味と経緯を綴った医学...
こんなときどうする? ―― 臨床のなかの問い
- (ネコまいける)
朝日新聞 2010年10月17日に掲載された 斎藤環(精神科医)氏の書評を読んで、本書を知った。 全三部から成る医療現場の呟きである。 第一部は、著者が臨床で直面した...
文庫 エセー 6冊セット
- (おはらし。)
フランス中世のモラリスト、モンテーニュ著。人生残りの半生をかけて読んでいこうと考えてます。なかなかこの書は、読み応えがあって、正直、ぜんぜん読み進んでおりません。相当な厄...
イソップ寓話の経済倫理学―人間と集団をめぐる思考のヒント
- (ネコまいける)
本書のタイトルは「イソップ寓話の…」と謳っているが、 正確には、イソップ以外からも、寓話や教訓の類を収集している。 著者の前置き(「はじめに」)によれば、 本書は、 「...
人生に必要な哲学50 (知ってる?シリーズ)
- (ネコまいける)
NHK教育TVで放映された「ハーバード白熱教室」の影響だと思うのだが、うちのカミサンが、ボクの書架から、マイケル・サンデル著の『これからの「正義」の話をしよう』を持ち出し...
がん闘病記読書案内―病気になった時に読む
- (ネコまいける)
「闘病記 届けたい(妻の病死きっかけ 専門の古本屋)」2010年05月16日(日曜)の朝日新聞(生活面)の記事を読んだ。 ここで紹介する『がん闘病記読書案内―病気になっ...
餃子ロード
- (ネコまいける)
甲斐 大策・著 『餃子ロード』 を読んでみたい。 松岡正剛氏が、その著書『多読術』で、「ぼくのイスラム世界観は、この一冊からネットワークされていいと思った」と評する本で...
死ぬときに後悔すること25
- (ネコまいける)
毎週、仕事で北海道と東京の間を往復している。 一年で約50往復、移動手段は飛行機だ。 その搭乗前に必ず行う「或る事」がある。 「ありがとうメール」である。 携帯電話...
愛の手紙 - The Love Letter
- (ネコまいける)
今年も「クリスマス」というフレーズが耳目に触れる季節になった。 クリスマスプレゼントなどというものには、さっぱり縁がないけれど、お世話になった人への、またはお世話になっ...
眼を磨け
- (ネコまいける)
立川談春・著 『赤めだか』(扶桑社、2008.4)を読んでいて、ふと気になるシーンに出くわした。 こんな件(くだり)である。 少し長くなるが引用する。 ----- ...









