フリオ・フレニトノヘンレキ
フリオ・フレニトの遍歴
『トラストDE』という小説をご存知でしょうか。早川書房の世界SF全集9は入手不可能だと思いますが、海苑社さんのシリーズ「文学の迷宮」1は大丈夫なようです。
イリヤ・エレンブルグ(「雪どけ」が有名ですが、そっちはつまらなくて途中で投げました)というロシアの作家の作品です。
こういう小説には好みがあるかと思いますが、自分は、なんだか自分でもわけの分からない大波に乗ろうとして呑まれて流されて悲劇か喜劇かすらもわからなくなってしまい刻一刻と終わりはやってくるというのになんだか意外と呑気に色々語りつつ何かを受け入れざるを得なくなって、といった小説は好きです(カート・ヴォネガット(特に「猫のゆりかご」や「タイタンの妖女」)やセリーヌ(「夜の果ての旅」)、映画なら「フィッツカラルド」とか「ハーダーゼイカム」とか「サボテンブラザース」等々とは近いものを感じます)。内容紹介はamazonや海苑社さんのホームページをご覧下さい。
ようやく本題ですが、『フリオ・フレニトの遍歴』は『トラストDE』より前のイリヤ・エレンブルグの小説です。というか『トラストDE』は『フリオ~』の続編的な作品なのですが、解説などから抜粋すると、
「メキシコ生まれの悪の天才フリオ・フレニト師と7人の弟子は理想とする「人類絶滅」のため様々な殺人兵器の開発をしながら遍歴を続けるが、師は長靴をかっぱらおうとする下賎の輩に襲われ志半ばにして横死を遂げるのであった。」
という話のようです(ちょっとカルトですかね)。
自分はもう20年もこの小説の翻訳を待っているのですが、残念ながらどこの出版社も出してくれません。って、下にGOOGLEの窓があるのに今日になって気づいて検索してみたら、出てたじゃないすか、集英社から! でも昭和四〇年! 生まれた年かよ!
ああ、読んでみてえ。(ていうかこうなったら古書を入手するか図書館に行きます。)
12/10 「日本の古本屋」にて注文。
12/12 届きました。まだもったいなくて読み始められません。土日にイッキ読みの予定。
2/6 あまりにもったいなくて1月末になってようやく読み始め、まだ読み終われない(毎朝の通勤電車で少しずつ読み進めていますが、途中で鞄ごと紛失した後、復活、というドラマもあり)。今のところは物凄く面白い(と思う)。既に何ヶ所かで泣いている。
2/25 ちびちび読み進め、ようやく読了。多分、繰り返し読んで価値の出る本。私的には納得の1冊。続編とも言える『トラストDE』を再読したら、また読み返そうと思います。
他の方に薦めるのは難しいですね。読書というのは個人的な体験ですし、特にこういう小説は「ダメな人は全くダメ」なので。
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