ソシテダレモイナクナッタ
そして誰もいなくなった
Agatha Christie著。訳は清水俊二。
<その物語>
物語はインディアン島という島を舞台に展開される。その島の所有者はアメリカの富豪からその島を買い取ったU. N. オーエンという謎の人物。
様々な成り行きでその島に集った8人の男女(高名なもと判事で「首吊り判事」との異名も持つローレンス・ジョン・ウォーグレイヴ、秘書や家庭教師を務めてきたヴェラ・エリザベス・クレイソーン、もと陸軍大尉のフィリップ・ロバート、厳格な清教徒の老婦人エミリー・カロライン・ブレント、退役した老将軍ジョン・ゴードン・マカーサー、医師のエドワード・ジョージ・アームストロング、お洒落な青年アンソニー・ジェイムズ・マーストン、もと警部ウィリアム・ヘンリー・ブロア)がオーエン家の2人の召使い(トマス・ロジャースとエセル・ロジャース)の給仕を受けながら夕食をとっていたそのとき、突然その10人の人々それぞれに殺人罪の嫌疑がかけられていることを告げる声が鳴り響く。
その宣告の直後、宿泊客の一人が命を落とす。その死に様は、各人の部屋に飾られていたインディアンの少年たちを題材とする「十人のインディアンの少年が食事に出かけた。一人が咽喉をつまらせて、九人になった。九人のインディアンの少年がおそくまで起きていた。一人が寝すごして、八人になった。八人のインディアンの少年がデヴァンを旅していた。一人がそこに残って、七人になった。七人のインディアンの少年が薪を割っていた。一人が自分を真っ二つに割って、六人になった。六人のインディアンの少年が蜂の巣をいたずらしていた。蜂が一人を刺して、五人になった。五人のインディアンの少年が法律に夢中になった。一人が大法院に入って、四人になった。四人のインディアンの少年が海に出かけた。一人が燻製のにしんにのまれ、三人になった。三人のインディアンの少年が動物園を歩いていた。大熊が一人を抱きしめ、二人になった。二人のインディアンの少年が日向に座った。一人が陽に焼かれて、一人になった。一人のインディアンの少年が後に残された。彼が首をくくり、後には誰もいなくなった。」という子守歌に似通っていた。そして残った人々もまた一人、また一人と次々とその子守歌に符合するかのような死を遂げていく…、やがてインディアン島に生者は一人もいなくなった。
<メモランダム>
はじめて読んだAgatha Christieの小説。読み手は犯人を明示する手がかりを見いだすことができず(少なくとも私には見いだせなかった)一人また一人と死んでいく登場人物の姿を見守るしかない。最後になって読者は犯人が海に投じた壜に封入された告白書からそのからくりを知るのである。
大学時代、深夜に実験棟の実験室でデータ収集の待ち時間に読んでいた。物語が佳境に入ったとき、ふと背後に気配を感じて振り向くと、そこには指導教官が…。
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