フシギノクニノネオ ミライヲカエタオカネノハナシ
不思議の国のNEO―未来を変えたお金の話
インターネットの分散処理等の考え方の方向から、現在の経済システムを眺め、実現し得る代替経済システムを「不思議の国」というある種のユートピアで例示して見せてくれる実に興味深い作品。 著者の斉藤賢爾さんに、私がぼんやり考えて纏められなかった思いを明晰に描き出して呉れたような気がして、日曜の朝食後に一気に読了し、静かな興奮を味わう。
■
単に技術者が既存世界の仕組みに技術を押し込んで「これで巧く行くだろう」と自己満足しているような底の浅い作品ではない、世界の構築の仕方自体にまで想像力を行き渡らせたスケールの大きな作品だと思う。 勿論、概略しか語られていない平易に書かれた入門書なので、今後様々な形で実現への細部を詰めて行かねばならないだろうが、基本的に必要な要素技術は存在し、本質的に必要なものは、人々が押し付けられた経済の仕組みの暗示から目覚めること、のようだ。
■
来週(2009/05/31)、ゲゼル研究会の東京講演会で、著者ご本人の話も聞けそうなので、楽しみにしている。
■
それにしても、斉藤賢爾さんが作品の最後で衛星軌道エレベータを取り上げていたのは嬉しい。 我が意を得たり、という感じ。 人類経済の行く先をロジックで追って行くと、やはりその辺りに行き着くんだな、と思う。 斉藤さんは情報処理推進機構「未踏ソフトウェア創造事業」 2007年度第2期「天才プログラマー/スーパークリエータ」に認定されているらしいが、そのテーマが「地球規模オペレーティングシステム外殻(シェル)の開発と応用」だもんなあ。 SFと見まがうような(下手したら超越する?)壮大な構想力ではないだろうか。
■
- 商品名: 不思議の国のNEO―未来を変えたお金の話
- 価格: ¥1,785
- 著者: 斉藤 賢爾
- 出版社: 太郎次郎社エディタス
- 発売日: 2009-05
-
詳細をみる
- 2009/05/24更新
- 2009/05/24登録
- 3564クリック
「不思議の国のNEO―未来を変えたお金の話」を検索
このキーワードを共有する
-
メイン
コメント (4)
2009/05/25
Fallout おお、著者個人も含めて面白そう。(積ん読(毒)の山を乗り越えて)読んでみます。
島崎丈太 はい、読み易い書籍だと思いますので、是非。 ただ、読み易さと、言おうとしている内容の拡がりの大きさは必ずしも合致しないと思いますが。
2009/07/26
LittleLoro 「本質的に必要なものは、人々が押し付けられた経済の仕組みの暗示から目覚めること」コレ、自分の親兄弟にさえ、うまくわかってもらえなくて。まして「自己責任」という言葉を攻撃的に使う人達が多い日本では、全然ムリって感じてます。でも、この本で教わった「真ん中ががんばらない」こととか、「使いたくないタイプのお金は使わない」こととか、イデオロギー革命・闘争で勝利して変革するのではなくて、置き換えていってしまうこととかの可能性を信じたい気持ちです。
島崎丈太 この本でほんわかと童話風に描かれている(実は)過激な思想を、人生の殆どを単一の中央集権的通貨経済システムで過ごしてきた人達に理解して貰うのは容易ではなかろうと思います。 魚に「水」という概念を教え込むのと似たようなものかと思います。 同時に私自身、このような世界がどのように動いて行くのか、想像するのが結構難しい。 小さな事例を積み上げて行くのが良いのだろう、と今は考えています。
つながりキーワード (15)
Money As Debt
- (LittleLoro)
Money As Debtのとっても楽しいアニメーション動画 日本語字幕付きで観れます。 字幕データはコチラ 数字データが 世界を駆け巡って レバレッジでバブルを生...
田中康夫ちゃん ベーシックインカムとは何ぞや
- (downshifter*)
「透明性の高い」「人に優しい」 仕事ができる人としては間違いない感じの 「あの人は今」田中康夫ちゃんが 「1人あたり毎月5万円の ベーシックインカム」構想を わかりや...
誰もが幸せになる 1日3時間しか働かない国
- (LittleLoro)
「誰もが幸せになる1日3時間しか働かない国」とは アジアの真ん中に人知れずある小さな国「キルギシア」のこと。 「キルギシア」という国では、1日に3時間以上働く人はいません...
1日3時間しか働かない国
- (downshifter*)
「誰もが幸せになる 1日3時間しか働かない国」という本があることを、ベーシックインカムについて調べてて知りました。 マガジンハウス 2008刊 アマゾンの商品説明では...
ユートピアだより ウィリアム・モリス
- (LittleLoro)
「ユートピアだより 」(岩波文庫 白 201-1)を全部読みました。 19世紀末の英国紳士が描いた、社会諷刺たっぷりの、牧歌的ユートピア小説。 でも、これはディストピアじ...
関 曠野「所得への権利」という思想
- (downshifter*)
本がないので、ホームページの紹介です。 「所得への権利」という思想が 社会的な実験をきっと容易にする、 というお話。 関 曠野氏の講演より。 「所得は雇用によってしか...
今、豚は太っていない。 動物農場
- (LittleLoro)
今、豚は太っていない。 「今の世の中だと思えばいいんですよ、 この映画が言っているのは。」 アニメーション映画監督 宮崎 駿 半世紀前につくられた「動...
図解 20年後の日本
- (LittleLoro)
図解っていうところが気になる 「20年後の日本」 人口減少社会に突入した日本 私たちの生活はこれからどうなるのか? 国や自治体の財政、主要産業から、年金、医療、教育...
ユートピアだより (中公クラシックス)
- (LittleLoro)
「ユートピアだより」は ウィリアム・モリスの小説だそうです ポジティブなユートピアの世界を 少し覗いてみたくて 勿論大体は社会風刺なのですが 想像してみる視点というか...
JSEA・日本宇宙エレベーター協会
- (ピンキー)
こんな協会があるって知っていました? 宇宙エレベーターの実現にむけて研究をしている団体です。 息子の恩師が会員になったらしいです。 現在30人ほどの会員の方がいらっしゃいます。 ちなみ...
宇宙旅行はエレベーターで
- (ピンキー)
SFではありません。 宇宙エレベーター(軌道エレベータ)研究の第一人者が書いた一般向けの入門・概説書です。 宇宙エレベーターの作り方や、問題点、研究開発の進み具合な...
エンデの遺言「根源からお金を問うこと」
- (島崎丈太)
人々が空気のように当然と思っていることに、重大な疑問を投げ掛け、私の人生に於ける最も大きな疑問の一つへの回答のヒントを呉れた書。 所謂「地域通貨」「補完通貨」についての、...
国内消費振興券
- (島崎丈太)
注:与党が考えている定額給付金への対案ですが、これは、私個人の思いつきで、現実に存在するものではないことを予めご承知置き下さいますよう、お願いします。 ■ 2008/1...
プロジェクト・ギートステイト
- (島崎丈太)
「2045年、道州制が敷かれた日本・南関東州では「ギート」と呼ばれる若年単純知的労働者が増大。また大部分の人々はありとあらゆる個人情報をライフログとして蓄積していた……と...
「モモ」は、私の物の考え方のある重要な部分を構成する元になった、大切な本です。 この本を高校時代、大学時代、社会人になってから、何度も読み返して、その度ごとに新しい発見が...






エンデの遺言「根源か...
プロジェクト・ギート...


