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拡大鏡マクロが強力、タッチパネルで直感操作の薄型デジカメ「Cyber-shot T900」

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ソニーの薄型全面液晶デジカメ「Tシリーズ」の2009年上位モデルである。中性的で上品なデザインは持つ人を選ばない。
基本的な構成はこのクラスで標準的なものだが、特筆すべきは「拡大鏡モード」と呼ばれる超接写機能とタッチパネル操作だろう。

Cyber-Shotシリーズは最初期のモデルから一環して「レンズ前1cmマクロ」を実現しており、リコーと並んでマクロに強いメーカーの印象がある。しかしマクロ機能は日常的に出番の多い機能であるにも関らず軽視されがちで、当時の接写能力も「近寄れる」という以上のものではなかった。これは光学的に、コンパクトモデルのレンズ設計ではマクロの実現が難しいという事情もあったものと思われる。
しかしミノルタがDiMAGE Xで世に出した屈曲光学系はコンパクト機のサイズを損うことなく自由な光学設計を可能にした。その結果もたらされたのが、Tシリーズの持つ「拡大鏡」マクロモードである。これは概ねx10の拡大鏡に匹敵する接写拡大能力(実際に通常マクロ+レンズ前にx10ルーペで撮影してみたが、結果はほぼ同一であった)で、例えば布地の繊維や指先の指紋までくっきりと写すことができる。
このモードにはもう一つ、「被写界深度が非常に浅い」という特性もある。つまり合焦点の前後が大きくボケるのだ。ボケは美しい写真を撮る上で欠かせぬ要素であり、とりわけ植物や小動物、あるいは料理などを撮る時に大きな威力を発揮する。
風景を撮れぬカメラはないが、小物を巧く撮れないカメラは多い。機種選定に当たっては、その辺りも考慮されたい。

Tシリーズのもう一つの特徴がタッチパネル操作だ。カメラ本体にあるスイッチ類はシャッターボタン、ズーム操作レヴァー、静止画/動画撮影の切り替えスイッチ、撮影画像確認モードのボタンのみで、それ以外の撮影モード設定などはすべてタッチパネルにより操作する。ボタン一発で切り替えとは行かない分だけ操作回数が増える欠点もあるが、対話型インターフェイスによりマニュアルがなくとも判り易いという利点もある。
しかし、タッチパネル最大の利点は合焦にある。通常ならば半押しによるオートフォーカスで中心付近に自動で調節されるだろうピント位置を、画面上のタッチによって自由に変更できるのだ。例えば奥行きの深い写真を撮る時に、カメラを動かさずに手前にピントが合った写真と奥にピントが合った写真を撮り分ける、なんていうこともできる。
【訂正:拡大鏡モード時は何故かタッチ焦点操作が効かないようだ。ピント位置は中央固定というわけでもないがどこに合うかコントロールできないのは残念。】

実のところ拡大鏡モードもタッチパネル操作も、それ自体は他社製品にも見られる機能である。なにも殊更にCyber-Shotに拘る理由もない……のだが、この2機能を両立している機種は他にない。被写界深度の浅い超接写状態で、画面タッチにより自由にピントをコントロールできる使い勝手はマニュアル式のハイエンド機にも劣らない。

それ以外にも顔認識やハイビジョン動画撮影、1200万画素静止画にレタッチ要らずの記憶色補正と撮影ポテンシャルは非常に高いのだが、その辺はまあ今時のカメラとして当然すぎるので深く言及しない。

店頭で試用するとき、可能なら何か細かい細工物でも持ち込んで拡大鏡モードをお試し頂きたい。無理なら指紋撮影でもいい。それだけで真価は十二分に理解できる筈だから。

拡大鏡マクロが強力、タッチパネルで直感操作の薄型デジカメ「Cyber-shot T900」

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芹沢文書画像 投稿者:
芹沢文書
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