ゴジラの音楽
4年前の夏の日だった。オレ達は東北道を東京へ向けてクルマを走らせていた。1週間前からのリゾートの思い出を語りながら.....アコードワゴンは順調に走っていたが、那須高原の辺りで渋滞に巻き込まれた。夏の連休最終日なら当然の渋滞だった。
秋田美人の話題で一通り盛り上がった後だった。車内での会話がなくなり、カーステレオから流れている音楽だけが静かに空間を埋めていた。
突然「後ろからなにか聴こえないか?」と後席のやつが言った。
「まさか?ここは高速道路の上だぜ。しかも、周りは山ばかりじゃないか」
「いや、なにか音楽が聴こえてくるんだよ.....ほら?」
しばらくすると、アコードワゴンのカーステレオよりも大きな音量の音楽が、後ろから迫って来た。ちょうどオレ達の4台後ろに入ってきた。街中ではよく見ることができる、国防色のバスだった。6個ついている大きなトランペットスピーカーからは大音量で軍歌.....じゃないっ!この音楽は伊福部昭が作った独特の9拍子の曲、そう「ゴジラのテーマ曲」だった。
「大日本××会」と大きな字で書かれたボディがオレ達の隣に並んだ。
オキシジェン・デストロイヤーを持ち合わせていなかったオレ達は、ブレーキを踏み国防色から離れて走ることにした。










