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suzuki izumi

鈴木いづみ

「わたしはおとこでもおんなでもないし 
 性なんかいらないし
 ひとりで遠くに行きたいのだ」

「速度が問題だ
 人生の絶対量は、はじめから決まっているという気がする。
 細く長くか太く短くか、いずれにしても使い切ってしまえば
 死ぬよりほかにない。
 どれくらいのはやさで生きるか?」


かつて女という生き物のなかに
いづみがいたのだった

いづみはもういないけど

わたしのからだの片隅に
わすれても わすれても わすれても
いつもいづみはいたのだった


「忘却してはいけない。決して。
 それがどれほどつらくても。
 でないと、もう歩けない。
 …遠すぎて」


――このように母にはたくさんの友達もいて、作家関係を通しての知人だってたくさんいました。それなのに、かなしそうな顔で「不幸感がつのる」と呟いていたのです。 幼い私には、その『不幸』だとか『悲しい』という意味が全く分からず、母の心境も全くわかりませんでした。
 しかし今ではその『不幸感』というのが痛烈によく分かります。友人や知人がたくさんいようといまいと、心境というものが『悲しみ』や『不幸』というポジションに辿り着いてしまった以上、『不幸感』は変わらないのです。――  鈴木あづさ


彼女はこうも言っていた、

「女は娼婦になれなかったら、母親になるしかない」

簡単な話 そういうことで わたしは娼婦でいたいんだったのに
それさえ忘れるところだった。

間違ってない。

十年以上も強く惹かれすぎているから――
熱狂はしないで 遠くから見てる 今も。
        

鈴木いづみ

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紅丸

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