絵の中の人物をどう判断しているのか
寝るひと・立つひと・もたれるひと
東京国立近代美術館本館2Fのギャラリーで9月23日まで開かれている展覧会。同館のコレクションのうち萬鉄五郎(よろず・てつごろう、1885-1927)作の重要文化財、《裸体美人》など19点を集めている。
この《裸体美人》は、同館の平常展で定番展示されているが、ちょっと不思議な絵だ。草原に裸婦が寝そべっている。この絵を描くに当たって、萬は裸婦を縦に置き、おまけに背後の草原を垂直に立ち上がるように描くことで、裸婦が「寝ている」のではなく、一瞬「立っている」と見えるよう、わざわざ工夫を凝らしている、という。制作過程で裸婦が置かれている位置関係の変遷も見せている。
「見どころ」として、――絵画とは一枚の平らな面であって、裸婦が横になるような奥行きは実際には存在しません。ここで萬は、壁にかけられた絵の中で、裸婦は実際に私たちに面して「立っている」のだ、と主張しているのです(HP)
熊谷守一の《畳の裸婦》やアメリカの女性写真家、ルース・バーンハートの《イン・ザ・ボックス―ホリゾンタル》、小出楢重《裸女と白布》、 古賀春江 《涯(はて)しなき逃避》のための下絵などが壁面を埋めている。
常識を揺さぶることも絵画の機能の一つなのであろう。
- 2009/07/03更新
- 2009/07/03登録
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