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我々はどこからきたのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか

ゴーギャン展

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画家が目指した芸術の集大成であり、その謎めいたタイトルとともに、後世に残されたゴーギャンの精神的な遺言とも言える大作《我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか》の日本初公開など、『ゴーギャン展』が東京国立近代美術館で始まった。9月23日まで。大作などを所蔵するボストン美術館をはじめとする油彩や、『ノアノア』のための木版画では残された3種類の刷りを内外の美術館から集めるなど約50点。腹八分目のボリューム感で、後味は悪くなかった。

初日の3日は金曜日。午後8時まで開館しているので出かけた(会期中は土曜日も20時まで開館)。この日は学校の教職員を対象とした鑑賞プログラムも行われていたが、さした混雑まではなく、お行儀も良い中での鑑賞。

展覧会の構成は
1章 内なる「野性」の発見
2章 熱帯の楽園、その神話と現実
3章 南海の涯(は)て、遺言としての絵画

第1章では、印象主義の影響が色濃く残る初期のスタイルから、ケルトの伝説が息づくブルターニュ地方との出会い。「そこで画家は、形態を単純化し、縁取りのある平坦な色面によって堅固かつ装飾的な画面を構成するスタイルを確立」していく。国立西洋美術館の松方コレクションでおなじみの《海辺に立つブルターニュの少女たち》などの画が並ぶ。
ここでは熊谷守一のフォルムを連想するような《洗濯する女たち、アルル》の洗濯女たちの尻の作り出すリズムが楽しかった。一方、横たわる女の左肩に狡猾な狐が腰掛けている《純潔の喪失》という絵は、画家の当時の状況が狐と重ねられているのか、不可思議な絵であった。

第2章では、タヒチの原始と野性が、造形的な探求にさらなる活力を吹き込むことを期待しての旅立ちから。すでに無垢な楽園はなく、ゴーギャンは西欧文明の流入によって失われつつあるマオリの伝統に思いを馳せ絵筆を走らせた。大原美術館にある《かぐわしき大地》などの油絵が並ぶ。
「ノアノア」の連作版画がまとまっているのも、この章。ゴーギャン自身の「自擦り」と「ルイ・ロワ版」、「ポーラ版」と、同じ版でも擦りによっての印象の違いが如実に理解できる。「ルイ・ロワ版」はボストン、「自擦り」と「ポーラ版」は岐阜県美術館所蔵のものだ。

第3章では、パリに戻って、タヒチ時代の作品に対するパリ美術界の無理解に幻滅し、二度と戻らぬ覚悟で南海の果てへ。健康状態が悪化、財政も逼迫して制作もままならない日々が続き、さらに最愛の娘の死の知らが届く。自らの運命を呪いながら、ゴーギャンは遺言としての大作の制作に着手する。蒼ざめた馬にまたがった死の神と、付き従って死の世界へと踏み込んでいく青年の姿を表現したという《浅瀬(逃走)》(プーシキン美術館蔵)なども。大作には、ゆったりと展示室が1室、その手前では大作の見方を映像で見せる部屋も。

最後の位置にあるのは、亡くなる直前の《女性と白馬》(ボストン美術館蔵)。もう画家に力は残っていなかったのかもしれないが、逆に女性の細さ、自然のグラディエーションの美しさ、そして画家がすぐ後に埋められた墓地の在り処が見える丘の上の十字架。どこかホッとした。

ゴーギャン展

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chagale画像 投稿者:
chagale

コメント (4)

2009/07/04

wahei ゴーギャン展に関しては、芸術新潮が特集を組んでますね。http://www.shinchosha.co.jp/geishin/ 実はゴーギャンは大好きなんですが、絵が好きなのか、その人生の歩み方が好きなのか、定かではなくなってます。

chagale wahei さん>ちょっとハスに構えた特集のように見えますね。最近は、どうもこのての雑誌まで手が届いていません。画業というのは、画家その人の生き様と、そこから生まれてくる作品と、不即不離のところがあるのでしょうね。その意味で、人生の歩み方に興味があることが、同時にその作品への興味に通じてくるということもあるのだと思いますね。

2009/07/09

wahei 七夕の日に行ってきました。初夏を思わせるような日差しの午前だったので、結構混んでました。 展示の3章構成は、まあ妥当かなと思いますが、作品解説文がややきどった感じだったり、(「~だったのだ」とかいう表現)、大作を見る前の映像での作品解説は、演出が過ぎるかなという印象を受けました。作品解説や映像などを駆使せずとも、絵の力だけで、鑑賞者の中に起きる変化をじっくり待つという展示でも良かったのにと思います。僕は作品解説の部分を見ずにいきなり絵と直面するのを好みます。ゴーギャンの色が、僕は好きなのだということが今回の展示会ではっきりと認識しました。株式仲買人としての成功では飽き足らなかったゴーギャンの自己表現手法が絵であった、とは思いますが、タヒチのエスニックにインスパイアされた作品が、パリで不評だったということが、そのままゴーギャンの失意だったのか、とすればあまりに単純かなとも感じます。ゴーギャンの作品には、どこかに予定調和を拒むような過激さ、アンバランスさが潜んでいるように思います。幸いゴーギャンは文献がたくさんありますから、自分なりの、あまり解説文に振り回されず、ゴーギャンの作品に向き合っていきたいと感じました。

chagale 確かに大作の展観の前に、これでもか、との解説映像は押し付けがましいとも思います。私は順番通りに観ない方なので、大作を見たあとでバックして解説を見たので、余り問題は感じなかったのですが……。大作の左上の部分が、どうしても照明でテカリを避けられないようでした。この作品を運ぶのは大変でしょうね(などと、別のことに感心したり)。館としても、力が入って、入りすぎの部分はあるかもしれませんね。

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