じょせいと
女生徒
太宰の作品のなかで一番くらいに好き。
写真家の佐内正史さんが文章+写真で出していたので、知ってるひとも多いかも。
(でも、私は文庫の方が好き。自由に想像できるし、文庫本ってちっちゃくって好きなのです。)
主人公の女学生の視点から、ある1日の出来事、心情が語られてゆきます。
朝目を覚ます時や眠りに落ちる時の感覚、眼鏡を外してぼやけた世界・・・。
普段感じてはいるけど言葉に出来ない感覚的なものが、ここではきらきらした言葉になっている。
宝物にして取っておきたいような文章がたくさん。
たしか高校1年生のときに読んだのだけど、兎に角文章がみずみずしくて、これを大人の男のひとが書いたとは思えなかったなあ。
年齢独特の潔癖さや危なっかしさがリアルに描かれていて、ほんとに女学生が書いたんじゃないかと思っちゃうくらい。
これを書いたのはきっとすごく繊細なひとだったんだろーなーと思った。
繊細すぎて、生きるのが大変だったでしょうに、とも。
冒頭はこんな感じ。
あさ、眼をさますときの気持は、面白い。かくれんぼのとき、押入れの真っ暗い中に、じっと、しゃがんで隠れていて、突然、でこちゃんが、がらっと襖をあけられ、日の光がどっと来て、でこちゃんに「見つけた!」と大声で言われて、まぶしさ、それから、へんな間の悪さ、それから、胸がどきどきして、着物のまえを合わせたりして、ちょっと、てれくさく、押入れから出て来て、急にむかむか腹立たしく、あの感じ、いや、ちがう、あの感じでもない、なんだかもっとやりきれない・・・・・・
下記リンク、青空文庫で読むことができます。
このキーワードを共有する
-
メイン
つながりキーワード (6)
太宰治「人間失格」
- (鴉(カラス))
深刻さというのはときに嘲笑の対象になるもので、そのこと自体はあながち無理もないと思う。 でも、太宰という人のことを知ろうともしないで嘲笑う手合いについては、僕はいっさい信...
「妖精の詩」装丁:葛西薫
- (ヒノッキヲ)
1997年7月7日 初版発行。発行、版元:XYLO(ザイロ) 装丁/葛西薫 活版印刷/嘉瑞公房 和綴じ とにかく、「美しい本」としか言いようがないです。 ページをめ...
モダンガールの誘惑
- (サリー・ブラウン)
モダン都市文学全集の1冊なんだけど、もうこれだけは別枠で! 名前の通りモガ満載! 私はこれで尾崎翠を知りました。アップルパイの午後最高! 他にも吉屋信子とかお姉様の世界があったり 都会の魅...
乙女本
- (pindot)
文字通りオトメな本。オトメ好みな本。海月書林でいうところのオンナコドモ本。 いわゆるガーリー。プラス、ノスタルジックな愛らしさ。男性は普通余り興味を示さない、(野ばらちゃんは除く)ような...
女生徒
- (みぐ)
或女生徒の一日。朝起きてから、夜寝るまで。 特に何事か起きるわけではない。 いつもの日常を生活しながら、ひたすら考え事をしている。 太宰治という男性が書いたと思えないほど乙女の心理。 共感...
女生徒
- (華子)
太宰治作の最強乙女ティック小説。 猫の目のようにくるくると変化する少女の心を 描いた作品、とか偉そうにゆってみる。 小さな事で一喜一憂して、女の子は忙しいのである。 かつて学校の先生が、こ...






「妖精の詩」装丁:葛...


