文学の輪郭
今となっては中島梓(栗本薫)著作で、もっとも愛のある一冊。まぁその愛情は、群像新人賞受賞となった表題の評論というよりも、文庫版あとがき「〈ロマン革命〉序説」によるものだけれど。
「物語欲」とは、食欲や自己保存本能とならぶ本能であると著者は論じている。
~以下引用~
―文学は、飢えた子供にとって、一文の価値もないと私は思う。紙は食べられない。観念も、世界への認識も、「自己とは何か」も子供には何のやくたいもないたわごとにすぎぬ。しかし、物語は、もしかして飢えた子供に対して役立つことができるのかもしれないのだ。「小公女」セーラは、ひもじく、疲れて、不幸で、雨の中を歩きながら「私はあたたかなマントをきて、王女のようなドレスをきてパーティへゆくところ」を想像する。この「公女さまごっこ」こそが物語の本質なのである。
物語作家としての気概あふれるこの序説は、初読当時かなり共感し、ワクワクしながら読ませてもらった。
書かれた日付は昭和60年8月。
この頃、好きだったなぁ、中島梓(栗本薫)…。
- メイン
- コメント(4)
- つながり(3)
- トラックバック(0)
つながりキーワード (3)
小説道場
- (なおなお)
中島梓(栗本薫)が残したもっとも偉大な作品のひとつ。初期やおい文化の遺産。大変失礼ながら最近の彼女を見ていると、「老醜」「才能には限りがある」「自意識おばけ」という言葉を思い浮かべずにはいら...
グイン・サーガ ~GUIN SAGA~
- (スズキシゲオ)
栗本薫著作の全100巻(予定)の大河小説。豹頭の戦士グインを中心とした群像ドラマ。現在正伝84巻、外伝16巻であわせてようやく100巻になりましたがまだまだ物語は続いてお...
更級日記
- (min)
作者は「東路の果てよりもなお奥つ方に生ひいでたる」、つまりは田舎の、さしたる有力者の娘でもない女の子。 噂に聞く源氏物語にあこがれるものの、なかなか手に入らない。やっと手にして、心躍らせな...






グイン・サーガ ~G...
自分がわかる他人がわ...


